2025年4月9日水曜日

今週の今昔館(469) 次回の企画展示 「大坂から大阪  住まいのか・た・ち」20250409

〇特別展「徳川大坂城400年―城のかたち・まちの姿ー」は終了しました


〇臨時休館のお知らせ

 大阪くらしの今昔館は、2025年4月14日(月)~4月19日(土)の間、展示替えのため休館します。


〇次回の企画展示は万博記念展「大坂から大阪  住まいのか・た・ち」

2025年4月26日(土)〜2025年7月27日(日)
前期 4月26日(土)~6月9日(月)
後期 6月14日(土)~7月27日(日)

 本展は大阪・関西万博の開催期間に併せ、大阪の都市居住文化を広く発信することを目的に、「大阪を知る」をテーマに万博記念展覧会の第1弾として開催します。
 大阪は江戸時代以来、現在に至るまでのおよそ400年、大都市として長い歴史があります。水運の商都・「天下の台所」として繁栄した江戸時代、文明開化を迎え、都市の近代化と工業化が進み「東洋のマンチェスター」と称された明治時代、人口・面積ともに日本一の都市となった「大大阪」の時代、郊外住宅地や別荘地が開発され、新たな都市居住の形態が成立した昭和戦前期。長い歴史の中で、大阪には固有の都市居住文化が醸成され、それらが現在の大阪の礎となっています。

 大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会への取り組みを持ち寄り、未来への希望を世界に示す」ことをテーマとしており、その視線は未来へ向けられています。本展では現在の大阪の繁栄の礎となっている都市居住文化の400年にわたる変遷を振り返ります。大阪の都市居住や生活文化の魅力を感じていただくのと同時に、現在から続く未来の都市居住を考える機会となれば幸いです。

※前期と後期で一部展示資料の入替えを行います

 前期には花見、後期には天神祭りなどの錦絵や掛軸など季節に合わせて都市文化を紹介するほか、江戸時代の名所図、近代大阪の景観を捉えた絵画資料の他、近代住宅の図面や集合住宅の模型なども入替え、多種多様な資料を展観いただけます。

 ぜひ、前期・後期ともご観覧ください。


◇ 関連講演会 ◇
万博記念「大坂から大阪 すまいのか・た・ち」関連企画 大阪、都市居住文化の醸成

 都市居住文化の400年にわたる変遷を振り返る万博記念年「大坂から大阪 すまいのか・た・ち」をより愉しむため、展示にかかわる講師3名をお招きし連続講座を開催します。
 
第1回 5月17日(土)「知らなかった!大坂蔵屋敷のあれこれ」

第2回 5月31日(土)「江戸時代の住友本宅と抱え屋敷」

第3回 6月14日(土)「大阪市が作った近代住宅」

申し込みはこちらから
https://www.osaka-angenet.jp/event/489


〇大大阪時代のまちづくり(3) 中央卸売市場
 第二次市域拡張直前である1924年(大正13年)発行の大阪市パノラマ地図と、その12年後1936年(昭和11年)発行の大大阪観光地図を見比べながら、大大阪時代の大阪のまちづくりを振り返ります。今回は、中央卸売市場です。
大阪市パノラマ地図(1924)(国際日本文化研究センター蔵)

 大阪市のホームページによると、毎日の食卓にならぶ野菜、果実、水産物などの取引の場である市場が大阪に誕生したのは、大坂城が築かれる以前、大坂(石山)本願寺の寺内町を対象に自然発生的に誕生したのが最初と考えられます。
 その後、江戸時代に入って、人口が増え、「天下の台所」として大阪の町が栄えるにつれて市場は各地の水路と陸路交通の要所に発展し、庶民の暮らしに広く定着するようになりました。なかでも、昭和のはじめまでにぎわった有名な市場に「天満」、「ざこば」、「靭(うつぼ)」、「木津」、「難波」などがありました。

 第1次世界大戦が終わった大正7年ごろ、経済情勢の急激な変動から、日用品の廉売、物価の安定を図るため、大阪市では公設市場を設置しました。
 同年に「米騒動」が起き、国民大衆の食生活が非常に不安定となり、国はその対策を検討することになりました。そのなかでも生鮮食料品の安定供給の必要性が高まり、取引の正常化や適正な価格形成を目的として、大正12年に中央卸売市場法が制定されました。
 大阪市においても公設市場の親市場として、中央卸売市場の開設に向けて調査研究を重ね、大正14年3月に国の開設許可を得ました。そして、昭和6年11月に現在の福島区野田に中央卸売市場(本場)を開場し、11月11日に業務を開始しました。大阪城天守閣の竣工は昭和6年11月7日でしたので、ほぼ同時、4日後となります。2つの大工事が同時に進められていたことになります。

 大阪市パノラマ地図を見ると、〇囲みの文字で「新堀」の地名が見えます。河村瑞賢の治水事業の一環として開削された安治川は、当初新川・新堀川とも呼ばれていたことに由来する地名です。「新」のところに煉瓦作りの工場が描かれていますが、日本製銅(株)の工場を買い受けて開設された住友伸銅場です。安治川から工場まで入堀があったこともわかります。中央卸売市場本場はその跡地に建てられました。

(注)安治川の名前は、「安らかに治まるように」との意味合いで命名されたという説と、工事を指揮した河村瑞賢安治(やすはる)(元和3(1617)~元禄12(1699)年)の名をとって元禄11年4月に幕府が命名したという説が残っています。

 大大阪観光地図を見ると、挿絵入りで中央卸売市場、その西隣には大阪市場冷蔵会社が描かれています。また大阪環状線(当時は西成線)の野田駅から中央卸売市場まで貨物支線がひかれていたことがわかります。
大大阪観光地図(1936)(国際日本文化研究センター蔵)

 大阪環状線となったのは、西九条駅から大阪臨港線の境川信号場までが開通した1961年です。この時は、旧西成線の大阪駅~西九条駅間は地上を走っていたので、西九条駅で線路がつながっていなかったため、桜島駅 - 大阪駅 - 京橋駅 - 天王寺駅 - 西九条駅の逆「の」の字運転を行っていました。1964年に大阪駅~西九条駅間の高架化が完成して線路がつながり、環状運転を開始しました。この時に野田駅の位置は北東へ約150m移動しました。高架化された以降も中央卸売市場への貨物支線は残されましたが、1984年に廃止されました。高架線から地上へ降りるスロープが現在も残っており、貨物支線の跡地は緑道になっています。
グーグルマップ空中写真で見る旧野田駅跡
グーグルマップ空中写真で見る野田駅周辺
グーグルマップ空中写真で見る貨物支線の痕跡
グーグルマップ空中写真で見る貨物支線の痕跡


〇ワークショップ・イベントのご案内
 和文化体験のワークショップやパフォーマンスです。どうぞお楽しみください。
 春夏秋冬の季節にちなんだ年中行事、町家の屋敷で行われる乙女文楽、狂言や上方舞、つまみ細工や折り紙のワークショップ、そして表通りでは町家の案内人に出会うこともあります。これらの催し物にはボランティア「町家衆」が大勢参加しています。
 ※参加には入館料(常設展)が必要です。開催日時は予告なく変更することがあります。事前にお確かめください。
 *スケジュール表はこちら≫https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/event
 定員がある当日先着イベントは8階受付で12時から参加券を発行しています。


〇入場料のお知らせ
【常設展】一般 600円(団体500円)
     高校生・大学生 300円(団体200円)
【企画展】展覧会ごとに料金が異なります。
     今回の企画展は1000円です。
     詳しくはホームページをご覧ください。
     ※常設展と企画展のお得なセット券も販売しております。

(注)団体は20名以上
(注)高校生・大学生は学生証原本要提示
(注)中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内の在住の65歳以上の方は無料(証明書原本(運転免許証、健康保険証、敬老優待乗車証、障がい者手帳等、またはミライロID)要提示)


今昔館は、毎週火曜日が休館日となっています。
 https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/guide


〇着物体験サービス

着物(夏季は浴衣)に着替えて江戸時代の町並みを散策することができます。洋服の上からはおる簡単な着付けなので気軽にご利用いただけます。

●受付時間 10:00〜
●受付場所:9階着物コーナー(人形屋)
●料金:お1人につき1回1000円
●体験時間:30分(着替え時間を含まない)
●定員:先着100名様/日

※身長制限 110cm以上
※国内外に関わらず、小学校・中学校団体様の着物体験利用の受付は行っておりません。

【ご提供するサービスの内容】
・着物・草履のレンタル
・着付け ※服の上から着物を着ていただきます。
・上着、厚手の衣類(セーター、トレーナー等)は脱いでください。



〇反物着装パフォーマンス
約13メートルの長さの反物を2個のクリップと帯紐だけで、あたかも着物を着たかのように着装します。まるで手品のようです。
場 所:9階呉服屋
日 時:不定期(イベントスケジュールをご覧ください)
※町家衆のパフォーマンスをご覧ください。着装の体験はできません。



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムである「大阪くらしの今昔館」は、2001年4月26日に開館しました。2023年4月26日に開館22周年を迎えました。これからも、大阪くらしの今昔館をどうぞよろしくお願いいたします。

 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。

 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo



〇「今昔館 まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/manabi_program/今昔館 まなびプログラム




〇おうちにいながらミュージアムを楽しもう!
 今昔館の展示関連の動画を集めました。
https://www.youtube.com/@user-zy5nw1vs2o


 英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
https://www.youtube.com/watch?v=lOgkk5mfaT0
 https://www.youtube.com/watch?v=1ZFcAzP08Ys



 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4



〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇天満天神繁昌亭コラボレーション企画【チケ得】が始まりました

「天満天神繁昌亭」×「大阪くらしの今昔館」

コラボレーション企画【チケ得】が始まりました!
窓口でチケット半券を提示していただくとお得に入場、入館していただけます。
詳細は以下に記載しておりますのでご利用の前にご確認ください。
(実施期間2023年8月1日(火)~2024年3月31日(日))

■天満天神繁昌亭にお得に入場■
「大阪くらしの今昔館」のチケット半券を提示すると
「天満天神繁昌亭」の入館料が300円OFF!!

※対象チケットは公演日より30日間有効
※窓口でお買い求めの際にのみ適用されます
※昼席一般当日入場料から300円引きいたします(例)当日料金2,800円が2,500円に!!
※半券1枚につき1名様1回限り利用可
※満席の場合はご利用いただけません
※その他割引との併用はできません
※ご利用いただけない日程がございます。詳しくは天満天神繁昌亭にお問い合わせください

■大阪くらしの今昔館にお得に入館■
「天満天神繁昌亭」のチケット半券を提示すると
「大阪くらしの今昔館」の入館料が100円OFF!!

※対象チケットは公演日より30日間有効
※窓口でお買い求めの際にのみ適用されます
※入館料から100円引きいたします(例)常設展大人600円が500円に!!
※半券1枚につき1名様1回限り利用可
※企画展のみの場合は割引できません
※その他割引との併用はできません
※ お支払い方法は現金のみとなります



 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



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