2023年1月19日木曜日

今週の今昔館(354) 江戸時代のフロアの見どころ(7) 20230119

〇江戸時代のフロアの見どころ(7)

 大阪くらしの今昔館の江戸時代のフロアの見どころをシリーズで紹介しています。今回は、大坂町三丁目の木戸門を入ってすぐの左手(北側)に建つ表長屋「建具屋」と「小間物屋」をご紹介します。

 西の木戸門を入って町の通りを挟んだ北側を見ると、木戸門の脇に長屋建ての表借家2戸があります。向かって左側は建具屋、右側は小間物屋です。

建具屋(左)と小間物屋(右)

 建具屋の表構えをみると、屋根に突き出た看板があり、商品の一つであったと思われる脇障子をあしらった釣り看板が目印です。軒下には、建道具を扱う「万立具所」の看板が掛かっています。

建具屋の表構え
建具屋の表構え(正面)

 建具屋の店の間。江戸時代の大坂では既製品の建具を大量生産し、比較的安価で販売していました。新品の他に中古品も扱い、へっつい(竈)や走り(流し)も建具屋の商品のひとつでした。建具の新調には雛型を見せて客の注文に応じていました。

建具屋の店の間

 小間物屋の表構え。女性の化粧や髪飾りなどを扱っています。

小間物屋の表構え
小間物屋の表構え

 小間物屋の店の間。元結・鬢付油をはじめ、丈長・鬢搔き櫛・解き櫛、鼈甲の飾り櫛、笄(こうがい)、白粉・紅猪口(べにちょく)・鹿子(かのこ)・刷毛・かもじ・お歯黒水などを商っていました。

小間物屋の店先
小間物屋の店の間


 店庭(土間)の正面には大戸が建てられます。建具屋と小間物屋では、跳ね上げ大戸が使用されています。昼間は内側に跳ね上げて開放され、夜になると下ろされて戸締りされます。潜り戸もついていました。

跳ね上げ戸


 2戸建ての表長屋の向かって左側は建具屋。主人は畑屋次兵衛で4人家族、奉公人は一人です。


 その右隣りは小間物屋で、主人は丸屋三郎兵衛、3人家族で奉公人は二人です。

 表長屋の宅地は津国屋文左衛門の所有地という想定になっています。江戸時代の大坂の商家は京都と比べると長屋建てが多かったとされますが、借家の比率が高かった大坂では、表通りに面しても長屋建ての町家(借家)が建てられました。表長屋が連なる町並みは大坂らしい都市景観でした。


 今回は、木戸門を入ってすぐ北側に建つ建具屋と小間物屋をご紹介しました。




〇企画展「ユニーク家電大行進!! 昭和レトロ家電®-マスダコレクション展-」開催中です

2022年12月24日(土)〜2023年2月19日(日)

昭和30年代のレトロ家電に魅せられ、20年以上にわたって収集した増田健一氏の貴重なコレクションを3年ぶりに大公開します。7回目となる今回はマスダコレクションの中からとっておきのユニーク家電約150点をずらーっと展示。なんでも電化してみようという時代ならではの驚きのアイデア家電や、宇宙ブームなど時代を反映した家電、デザインが特徴的な家電などなど、たっぷりとお楽しみください。



〇今昔館は昨年10月29日から全面開館しています

 天井改修工事にともない閉鎖していた9階常設展室及び10階展望フロアが令和4年10月29日(土)から再開されています。
 今昔館は、毎週火曜日は休館日となっています。
 https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/guide

●入場料変更のお知らせ

令和4年10月29日(土)から通常料金になります

【一 般】600円(団体500円)
【高校生・大学生】300円(団体200円)

(注)団体は20名以上
(注)高校生・大学生は学生証原本要提示
(注)中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内の在住の65歳以上の方は無料(証明書原本(運転免許証、健康保険証、敬老優待乗車証、障がい者手帳等、またはミライロID)要提示)



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムである「大阪くらしの今昔館」は、2001年4月26日に開館しました。2021年に開館20周年を迎えました。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。

 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo



〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画はこちらからどうぞ。
 英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
https://www.youtube.com/@user-hm7hq2uu4o/videos
 https://www.youtube.com/watch?v=lOgkk5mfaT0
 https://www.youtube.com/watch?v=1ZFcAzP08Ys



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be



 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4



〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/manabi_program/今昔館のオンラインまなびプログラム




 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



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