前回に引き続き「大阪市パノラマ地図」の見どころをご紹介します。
さて、質問です。
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所はどこでしょうか?当時何があったでしょうか?
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D 昭和30年には何があったでしょうか?
E 手前の川は現在どうなっているでしょうか?
答えは、
A 南海電車なんば駅の南側。煙草専売局工場
B なんばパークス
C 難波御蔵(江戸幕府直轄の米蔵)
D 大阪スタヂアム(大阪球場)。昭和25(1950)年に完成し、プロ野球の南海ホークスが本拠地としていました。
E 手前(西側)の川は難波入堀川(難波新川)で、昭和33(1958)年に埋め立てられました。現在は上部を阪神高速道路が高架で走っています。
また、東側を走っている鉄道は南海鉄道(現在の南海電気鉄道)です。
浪華名所獨案内の難波付近(上が東) |
天保8年発行天保新改攝州大阪全圖の難波 付近(上が北) |
上の図は天保年間発行の浪華名所獨案内と、天保8年発行の天保新改攝州大阪全圖の難波付近です。
江戸時代の大坂は江戸と異なり大半が町人地で武家地は少なかったです。大坂は幕府の直轄地であり、武家地は奉行所、城代屋敷、蔵、与力・同心の住まいなどに限られていました。
そのうち、難波御蔵は、享保の大飢饉を機に享保17(1732)年に新たに設置され、翌年に道頓堀川と難波御蔵を結ぶ難波入堀川が開削されました。入堀で汚濁が激しく不衛生だったため、明治に入って鼬川(いたちがわ)まで延長開削されましたが、昭和33(1958)年に埋め立てられました。
難波御蔵の跡地は、明治37(1904)年にたばこ製造が専売となり、煙草専売局工場が建設されました。戦災により壊滅した後に昭和25(1950)年からは大阪球場として利用されました。福岡ダイエーホークスとなった1988年以降は住宅展示場などとして利用され、1998年に解体されました。現在は、再開発されてなんばパークスとして利用されています。
まとまった大きな敷地の少ない大阪の町で、江戸時代の武家地が、様々に用途転用され利用されてきた典型例と言えます。
第3回大阪検定(2011年度)の1級第21問に以下の問題が出題されました。
1950年(昭和25年)、大阪市内で初め ての本格的なプロ野球場である大阪球場がミナミに誕生しました。大阪球場が建設された場所は、戦争中、空襲により焼失するまで、何が あったでしょう?
①軍需工場 ②鉄道工場 ③たばこ工場 ④ビール工場
※正答率は63%でした。
このように、大阪市パノラマ地図を見ながら、「昔は何があったのかな?」「今はどうなっているのかな?」と考えを廻らしてみるのも面白いと思います。
大阪くらしの今昔館近代のフロアの「大阪市パノラマ地図」 |
〇「大阪ぶら歩き【第6回】大阪の長屋を堪能する」を開催します。
大阪くらしの今昔館で館長から大阪長屋について学び、その後、オープンナガヤ大阪開催中の豊崎長屋を見学します。
●と き:平成29年11月12日(日) 13:30~16:30
●ところ:大阪くらしの今昔館~豊崎長屋
※詳細については参加証にてお知らせします
●案内人:谷 直樹(大阪くらしの今昔館館長)
●定 員:20名(申込先着順)
●参加費:1,000円(保険代、資料代)
※移動にかかる交通費は各自でご負担ください。
※別途、大阪くらしの今昔館の常設展入館料がかかります。
●主 催:大阪市立住まい情報センター、大阪くらしの今昔館
●申込方法:こちらからどうぞ。
≫ https://www.sumai-machi-net.com/event/portal/event/32910
〇特別イベント 民家をたのしむ!民家をつたえる!
★Part1 シンポジウム「英国くらしの博物館 VS 大阪くらしの今昔館」
◇日 時:平成29年11月26日(日)10:00~12:30 (受付開始:9:40~)
◇「大阪くらしの今昔館の町家建築物語」谷 直樹(大阪くらしの今昔館館長)
「体験することはわかること―Weald and Downland Living Museumの民家建築と伝統的なくらしの学びを生き生きとしたものにするために―」通訳あり
Martin Purslow CEO of the Weald and Downland Living Museum
◇場 所:大阪市立住まい情報センター 3階 ホール
◇定 員:150名(事前申込、先着順)
定員になり次第、締め切ります。
◇参 加 費:無料
Weald and Downland Living Museum(ウィ-ルド・アンド・ダウンランドくらしの博物館)は、1972年に開園した英国イングランド南部にある民家博物館です。広大な敷地に、600年の時代を通じた52棟の民家が学術的な修復を受けて移築され、当時のくらしを再現しています。
同館では、民家の建築的保全とくらしの技術の保存の両面から学習プログラムを提供しています。現代に暮らす人たちに民家の保全への意識を持ってもらうこと、また伝統的な生活の技やものづくりに関心を持ってもらうことが目的です。おとなのための学習プログラムやヨ-ク大学大学院と連携した民家の保存技術の専門的プログラムにも力を入れています。
シンポジウムでは、英国くらしの博物館と江戸時代の町家を再現した大阪くらしの今昔館の事例から、民家を楽しみ、伝統的な建築技術を伝える方法を考えます。
●司会:碓田智子(博物館住まい学習研究会代表、大阪教育大学教授)
●通訳:和田美貴((一財)日本国際協力センター)
★Part2イベント 「大工体験! 匠の技」
①江戸時代の町並みで実演 手道具を使った大工の匠の技
棟梁による、手道具を使った大工の伝統の技をご覧いただきます。
◇日 時:平成29年11月26日(日)14:00~16:00
(予約不要、自由見学)
◇場 所:大阪くらしの今昔館 9階常設展示室
◇参 加 費:無料(ただし常設展示室への入館料が必要)
②町家の二階の特別見学-町家の構造を見よう-
通常は非公開の町家(薬屋)の2階に上がって、町家建築の構造をご覧いただきます。
◇日 時:平成29年11月26日(日)14:00~16:00
(要予約 シンポジウム申込者を優先)
◇参 加 費:無料(ただし常設展示室への入館料が必要)
☆匠の技を体験しよう!
「ミニ削ろう会in今昔館」の大工さんから大工の技を教えてもらいます。
鉋削りの体験や削り花でつくる「かんなフラワー」も楽しめます。お子さんも体験できます。
◇日 時:平成29年11月26日(日)14:00~16:30
◇場 所:大阪市立住まい情報センター 3階 ホール
◇参 加 費:無料
民家をたのしむ!民家をつたえる!
Let’s Learn from Historic Houses in the Museum
主 催:博物館住まい学習研究会、大阪くらしの今昔館
協 力:「ミニ削ろう会in今昔館」の大工棟梁のみなさん
申込はこちらからどうぞ。
≫ https://www.sumai-machi-net.com/event/portal/event/32955
〇今週のイベント・ワークショップ
10月18日(水)~21日(土)、23日(月)、25日(水)~28日(土)
町家ツアー
住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30
10月22日(日)、29日(日)
町家衆イベント 町家ツアー
江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00
10月21日(土)
イベント 狂言
上方の地で生まれ親しんだ芸能。磨かれた芸の技をご覧ください
14時~14時40分
町家衆イベント 折り紙(有料)
季節に合わせてさまざまな折り紙をお教えします。
作品は持ち帰っていただきます。
開催日:偶数月の第3土曜
時 間:13:30~15:00
10月22日(日)
町家衆イベント 絵本で楽しい時間
むかし話などの絵本を表情豊かに読み聞かせます。
じっくりとお聞きください。
開催日: 第4日曜
時 間:14:30~15:00
10月28日(土)
ワークショップ 『バランスとんぼを作ろう』 ⓵13時30分 ⓶14時30分
各回先着10名、参加費:200円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します
そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。
大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。
「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse
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