大阪市立住まいのミュージアム(愛称:大阪くらしの今昔館、以下「今昔館」という)は、住まい情報センターが入っている天神橋筋6丁目のビルの8階から10階にある。
大阪メトロ谷町線・堺筋線・阪急千里線の天神橋筋6丁目駅からは、3号出口よりビルの地下1階へ直結している。
大阪くらしの今昔館鳥観図(画:綱本武雄氏) |
今昔館のエントランスはビルの8階にあり、同じフロアには、近代展示室と企画展示室がある。
8階フロアガイド |
入館すると長いエスカレーターで8階から一気に10階まで上る。途中では江戸時代のまちの賑わいが感じられる掛け声が耳に入ってくる。10階に着くと、人間国宝・桂米朝師匠のお元気だったころの声が聞こえてくる。「大阪市がえらいもんをこしらえてくれて・・・。」
10階フロアは、9階の江戸時代の町並みを鳥瞰する展望フロアとなっている。米朝師匠の案内で火の見櫓や、物干し台、煙り出し、蔵、裏長屋などを眺めながら前へ進む。風呂屋の鬼瓦が見え、表通りが見えてくると、再び米朝師匠の声で、道の両側に並ぶお店の案内が聞こえてくる。
9階・10階フロアガイド |
案内に従って9階に降りていくと、大坂町三丁目の木戸門の前に出る。木戸門は夜の10時から翌朝の6時までは門が閉められ、町の安全を保っている。今は昼間なので門は開いている。さあ、ここからいよいよ江戸時代天保年間の大坂のまちへタイムスリップだ。
大坂町三丁目マップ |
9階のフロアには、本物の町家や長屋が14戸、実物大で再現されている。京都の宮大工の手によって、地震の際に揺れを抑える「免振床」の上に建築されたものである。阪神淡路大震災の経験を踏まえ、9階の床は二重床になっており、その間に136個の「すべり支承」を並べて地震エネルギーを吸収する仕組みとなっている。
建物ごとに建築後の経過年数が設定されており、映画の美術で使用されるエイジングの手法を取り入れて、時代色と生活感を演出している。そこで暮らす住人と職業も店ごとに想定されている。
ここから先は、見学ルートは決まっていない。町家の通り庭を抜けて裏長屋へ出るもよし、町の大通りをまっすぐ進んで、奥から順番に見るもよし、靴を脱いで畳の上に上がったり、縁側に腰かけて記念写真を撮ったり・・・。自由に江戸時代の町の中を散策することができる。音と光の演出によって、45分間で1日を体験することができるので、2泊3日くらい、ゆっくりと江戸時代の町並みをお楽しみください。
次回からは、店ごとに見どころをご紹介していくこととしたいと思います。
〇10月29日から全面開館しています
天井改修工事にともない閉鎖していた9階常設展室及び10階展望フロアが令和4年10月29日(土)から再開されています。
●入場料変更のお知らせ
令和4年10月29日(土)から通常料金になります
【一 般】600円(団体500円)
【高校生・大学生】300円(団体200円)
(注)団体は20名以上
(注)高校生・大学生は学生証原本要提示
(注)中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内の在住の65歳以上の方は無料(証明書原本(運転免許証、健康保険証、敬老優待乗車証、障がい者手帳等、またはミライロID)要提示)
〇企画展「なにわを語る 明治・大正・昭和の絵葉書」開催中です
2022年10月29日(土)〜2022年12月18日(日)
日本の郵便制度は明治4年(1871)に始まり、明治6年(1873)には国内初となる官製葉書が発行されました。その後、明治33年(1900)に私製絵葉書の使用が認められると、風景や美人を題材にした絵葉書が人気を博し、各地で絵葉書専門店が登場するなど、人々の間に新たな大衆文化の1つとして浸透してゆきました。
国内における絵葉書文化が花開くのと時を同じくして、大阪では明治36年(1903)の第五回内国勧業博覧会をはじめ、都市の近代化や大大阪時代の到来を象徴する絵葉書が次々に発行されたほか、作家たちによる「なにわ」の風俗を扱った芸術性の高い絵葉書なども登場し、大流行しました。
本展では明治から大正、昭和にかけて発行された大阪ゆかりの絵葉書にスポットをあて、時代とともに移り変わる街の風景や建築、人々の暮らしや文化の醸成、趣味人たちの交流などを幅広く紹介します。絵葉書ならではの多様なジャンル、ユニークなデザイン、巧みな技法によって表現された魅力あふれる大阪の姿をお楽しみください。
なお、本展は今年で創立20周年を迎える日本絵葉書会との共同開催展です。
〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?
「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムである「大阪くらしの今昔館」は、2001年4月26日に開館しました。昨年、開館20周年を迎えました。
住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。
前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
こちらからどうぞ。
⇒ https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo
〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
⇒http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf
このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
⇒https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be
今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
⇒https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be
⇒https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4
〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw
〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
こちらからご覧ください。
⇒https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be
〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
こちらからどうぞ。
⇒https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/manabi_program/今昔館のオンラインまなびプログラム
大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
≫ https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/
「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
≫ http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html
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