2021年9月29日水曜日

今週の今昔館(286) 近代展示室の見どころ(4) 大阪城 20210929

〇今昔館の近代展示室の見どころ(4) 「大阪市パノラマ地図」

 大阪くらしの今昔館は、展示替えのための臨時休館が終わり、9月18日から開館していますが、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。前回に引き続き近代のフロアの「大阪市パノラマ地図」の見どころをご紹介します。

 下の地図は大阪市パノラマ地図の大阪城の部分です。天守台の石垣はありますが、天守閣はありません。
 パノラマ地図に描かれている天守台は江戸期の徳川天守のもので、この天守台の上に豊臣期の天守を模した昭和復興天守閣が昭和6年に再建されました。
 江戸時代の古地図を見ると、浪華名所獨案内では、櫓が多数描かれていますが、天守はなく、「御城」の文字があります。「京ハシ口」「追手口」「玉造口」の記載もあります。
 天保新改攝州大阪全圖では、城の中は白地になっており、「御城」の記載があるだけです。堀には「京ハシ口」「追手口」「玉造口」に加えて「青屋口」の表示があり、青屋口のそばには「御蔵」の文字が見えます。御城の文字は左を上にして横向きになっています。追手口が正門ということでしょうか。



浪華名所獨案内の大坂城付近(上が東)
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の大坂城付近

 上町台地は大阪のルーツともいえるところで、かつては、上町半島という形でせり出し、西は大阪湾、東は河内湖となっていました。半島の先端部には古代には難波の宮がありました。同じ場所に中世には大坂本願寺(石山御坊)が立地、織田信長はこの地に関心を持ち、信長公記にも「抑々大坂は凡そ日本一の境地なり。」と記されています。本願寺戦争(石山合戦)と呼ばれる10年に及ぶ攻防ののち、本願寺は撤退しました。しかしその後、本能寺の変によって信長は亡くなり、後継者の豊臣秀吉が大坂城を築城しました。

 豊臣大坂城の天守は、地図で貯水池となっている場所にありましたが、大坂夏の陣の後、徳川氏の盛り土によって地中に埋められました。
 徳川氏による大坂城修築工事は3期にわたる工事を経て1629年(寛永6年)に完成しました。その後1665年(寛文5年)には落雷によって天守を焼失し、以後は天守を持たない城となりました。

 現在の天守閣は、豊臣時代の大坂城をモデルにした鉄筋コンクリート造の建築で、徳川大坂城の天守台の上に昭和6(1931)年に再建されたものです。パノラマ地図の発行の7年後に再建されたことになります。いわば、ハイブリッドな天守と言えます。

 大大阪記念博覧会の際に天守台の上に築かれた「豊公館」というパビリオンが人気があったこともあり、大正時代に城周辺の公園整備計画が持ち上がり、1928年(昭和3年)、当時の關一(せきはじめ)大阪市長が天守再建を含む大阪城公園整備事業を提案し、昭和天皇の即位記念事業として整備が進められました。集められた市民の募金150万円によって陸軍第4師団司令部庁舎と天守閣の建設がすすめられました。天守閣の基本設計は波江悌夫が行い、大林組の施工で、再建工事は1930年(昭和5年)に始まり、翌年完成しました。

大大阪観光地図大阪城
昭和6年(1931)大阪城天守閣竣工

 当時お城の周辺はほとんど軍の施設で、市民の入れないところでしたが、天守閣の再建と合わせて、大阪城公園として市民に開放されるようになりました。同時に師団司令部も建て替えられましたが、天守閣の復興に47万円、公園の整備に26万円を要したということですから、市民の募金150万円の半額以上が師団司令部の新築に充てられたことになります。

 パノラマ地図中の師団司令部となっている木造の建物は、明治18(1885)年に和歌山城から移築された紀州御殿で、司令部庁舎として利用されていました。師団司令部の建て替え後は天臨閣と改称され、戦災には生き残りましたが、昭和22(1947)年、米軍の失火により焼失しました。残っていれば重要文化財級の建築物であったと思われ、残念なことです。

 現在、初代豊臣期大坂城の石垣を掘り起こして公開する「豊臣石垣公開プロジェクト」が進められています。募金(ふるさと納税)の方もよろしくお願いいたします。

 昭和6年建設の師団司令部庁舎は、戦後、米軍に接収されたのち、大阪市警視庁、市立博物館などとして活用されていましたが、平成13(2001)年の大阪歴史博物館の開館に合わせて閉鎖されていました。大阪城公園は、平成27(2015)年4月1日より「大阪城パークマネジメント株式会社」の管理に移行し、師団司令部庁舎も改修の上で再生されることになり、平成29(2017)年にミライザ大阪城として開館、レストラン等の複合施設として使用されています。


明治41年、昭和4年、昭和22年地形図、最近の航空写真の大阪城付近


 大阪市パノラマ地図を見ながら、「昔は何があったのかな?」「今はどうなっているのかな?」と考えを廻らしてみるのも面白いと思います。

大阪くらしの今昔館近代のフロアの「大阪市パノラマ地図」


 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4




〇【住まいのミュージアム20周年記念事業】
 「大阪くらしの今昔館」のバトンを繋ぐ


 「大阪市立住まいのミュージアム」は、大阪の住まいや暮らしの歴史を再現・発信する体験型ミュージアムとして2001年4月に開館し、本年4月に20周年を迎え、これまで延べ540万人を超える方々にご来館いただきました。
 このたびの20周年を記念し、開館から本年3月まで館長を務めた谷直樹先生と、本年4月に館長に就任した増井正哉館長による新旧館長の講演と対談が開催されます。

■日 時:令和3年10月23日(土)13:00~15:20(開場12:30~)
■場 所:大阪市立住まい情報センター3階ホール
■定 員:150名(定員を超えた場合は抽選)
 ※今後の新型コロナウィルス感染症の状況により定員の変更やシンポジウムを中止する場合があります。
■参加費:無料
■主 催:大阪市/大阪市立住まい情報センター

詳しくは、こちらから。
https://www.osaka-angenet.jp/event/117

申し込みは、こちらから。
https://www.osaka-angenet.jp/event/117/entry




〇企画展「商都慕情Ⅱ‐水のまち大阪を巡る -」開催中です

 令和3年9月18日(土)~11月14日(日)

 江戸時代、淀川は京都と大坂をつなぐ動脈として、人や物資が往来し、絵画にもよく描かれました。とくに、円山応挙が京都伏見から大坂天満橋までの両岸の光景を描いた絵巻がよく知られています※。この絵巻から昭和初期に大阪の絵師が6つの場面を模写していました。それが庭山耕園とその門人らによる「淀川両岸帖」です。当館はこの作品を2020年に新収蔵しました。収蔵後、本展が初公開となります。
 大坂の市中には堀川が網目のように張り巡らされ、八百八橋と称されました。橋上や舟の上は町民にとって夕涼みや花火見物を楽しむ憩いの場でした。天神祭の船渡御の舞台も大川です。その熱気は江戸の浮世絵師歌川貞秀の錦絵にも描かれています。また、道頓堀の芝居をかける際に、役者が船に乗って市中を巡る「船乗込」も川筋で華やかに行われました。商いの流通や暮らし、そして文化が水とともにあった大坂。本展では大阪くらしの今昔館所蔵の絵画や錦絵を用いて、水都とよばれた大坂の情景を想起します。
※「淀川両岸図巻」公益財団法人アルカンシエール美術財団蔵(本展の出品はございません)

開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
閉館日 :火曜日

会  場:大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)企画展示室
入館料 :(8階常設展示室の入場料を含む)
     一般400円(団体300円)
     高校生・大学生300円(団体200円)(要学生証提示)
     (注)団体は20名以上
     大阪周遊パスでもご入場いただけます。
     中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料です。(要証明書提示)

【町家と茶室の展示】
 企画展示室内には、江戸時代における大坂の商家座敷の再現や、重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵」の構造模型(公益財団法人 竹中大工道具館蔵)など実物大の模型を設置し、2種の建築から住まいと暮らしの様相をお見せします。

淀川両岸帖(部分)庭山耕園他
よど川のすずみ船 菅 楯彦
浪速天満祭 歌川貞秀
『滑稽浪花名所』のうち ざこば魚市 芳豊


〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、9月18日より令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し、茶室の実物大構造模型とともに展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。


・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。今年で開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館は開館していますが、イベント・ワークショップ等の開催は中止しています。

 イベント・ワークショップおよびボランティアによる展示解説(町家衆による町家ツアー)等は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、当面の間 開催を中止いたします。

 開催を楽しみにしてくださった皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をいただきますようお願いいたします。


〇大阪くらしの今昔館を紹介する動画作成プロジェクトが「2021年度都市住宅学会賞・業績賞」を受賞しました

 受賞対象は「歴史博物館から発信する大阪の町家と住文化の魅力-子ども・若者・外国人に町家と住文化を理解してもらうための動画制作プロジェクト-」です。
 この動画制作プロジェクトは、2018年度に申請者らからなる博物館住まい学習研究会が「建築技術教育普及センター」の助成を受け、大阪くらしの今昔館の9階常設展示「商家の賑わい」で撮影・編集し、2019年3月に完成しました。ドイツ人留学生のザビ-ネさんがナビゲートし、今昔館ボランティア「町家衆」の皆さんが江戸時代の住民に扮して出演しています。その後、2019年7月からYouTubeで配信しました。

 大阪くらしの今昔館を紹介する学習ビデオは、「なにわの町並み」、「町家の商い」、「町家のくらしとおもてなし」、「裏長屋のくらし」の4編(それぞれ日本語字幕版と英語字幕版)で構成されています。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒konjyakukan.com/link_pdf/今昔館のオンラインまなびプログラム.pdf





 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
http://konjyakukan.com/index.html


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



2021年9月22日水曜日

今週の今昔館(285) 近代展示室の見どころ(3) 難波 20210922

〇今昔館の近代展示室の見どころ(3) 「大阪市パノラマ地図」

 大阪くらしの今昔館は、展示替えのための臨時休館が終わり、9月18日から開館していますが、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。そこで今回は前回に引き続き近代のフロアの「大阪市パノラマ地図」の見どころをご紹介します。

 さて、早速ですがクイズです。
  下の地図は大阪市パノラマ地図の南海鉄道なんば駅の南側です。地図の中心の赤丸印の場所には、「煙草専売局」の文字が見えます。大正時代にはここに煙草工場がありました。
 A 現在はどうなっているでしょうか?
 B 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
 C 昭和30年頃には何があったでしょうか?
 D 手前の川は現在どうなっているでしょうか?



 答えは、
A なんばパークス
B 難波御蔵(江戸幕府直轄の米蔵)
C 大阪スタヂアム(大阪球場)。昭和25(1950)年に完成し、プロ野球の南海ホークスが本拠地としていました。
D 手前(西側)の川は難波入堀川(難波新川)で、昭和33(1958)年に埋め立てられました。現在は上部を阪神高速道路が高架で走っています。
 また、東側を走っている鉄道は南海鉄道(現在の南海電気鉄道)です。明治44年に難波~和歌山市間は電化されましたが、大正時代当時は蒸気機関車が牽く客車も走っていたことがわかります。


浪華名所獨案内の難波付近(上が東)
天保8年発行天保新改攝州大阪全圖の難波付近(上が北)

 上の図は天保年間発行の浪華名所獨案内と、天保8年発行の天保新改攝州大阪全圖の難波付近です。
 江戸時代の大坂は、大半が町人地で武家地が少ないまちでした。武家屋敷の多い江戸とは大きく異なっていました。
 大坂は幕府の直轄地であり、大坂城の城主は徳川将軍、大坂には城代が常駐しました。
 いわば大名(藩主)が不在の城下町で、小西来山の俳句「お奉行の 名さへおぼえず とし暮れぬ」でも知られるように、幕府の権威を恐れない自由な気風のまちでした。
 大坂は武士の少ない町で、武家地は奉行所、城代屋敷、蔵、与力・同心の住まいなどに限られていました。

 そのうち、難波御蔵は、享保の大飢饉を機に享保17(1732)年に新たに設置され、翌年に道頓堀川と難波御蔵を結ぶ難波入堀川が開削されました。入堀で汚濁が激しく不衛生だったため、明治に入って鼬川(いたちがわ)まで延長開削されましたが、昭和33(1958)年に埋め立てられました。

 難波御蔵の跡地は、明治37(1904)年にたばこ製造が専売となったことに伴い、煙草専売局工場が建設されました。パノラマ地図に描かれている赤レンガの工場です。

 戦災により壊滅した後に昭和25(1950)年に大阪球場(大阪スタヂアム)が建設され、南海ホークスのホームグラウンドとして利用されました。福岡ダイエーホークスとなった1988年以降は住宅展示場などとして利用され、1998年に解体されました。現在は、再開発されて「なんばパークス」となっています。

 まとまった大きな敷地の少ない大阪の町で、江戸時代の武家地が、様々に用途転用され利用されてきた典型例と言えます。

 第3回大阪検定(2011年度)の1級第21問に以下の問題が出題されました。

問 1950年(昭和25年)、大阪市内で初めての本格的なプロ野球場である大阪球場がミナミに誕生しました。大阪球場が建設された場所は、戦争中、空襲により焼失するまで、何があったでしょう?

 ①軍需工場 ②鉄道工場 ③たばこ工場 ④ビール工場

※答えは③、正答率は63%でした。

 このように、大阪市パノラマ地図を見ながら、「昔は何があったのかな?」「今はどうなっているのかな?」と考えを廻らしてみるのも面白いと思います。


大阪くらしの今昔館近代のフロアの「大阪市パノラマ地図」


 また、今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4




〇企画展「商都慕情Ⅱ‐水のまち大阪を巡る -」が始まりました

 令和3年9月18日(土)~11月14日(日)

 江戸時代、淀川は京都と大坂をつなぐ動脈として、人や物資が往来し、絵画にもよく描かれました。とくに、円山応挙が京都伏見から大坂天満橋までの両岸の光景を描いた絵巻がよく知られています※。この絵巻から昭和初期に大阪の絵師が6つの場面を模写していました。それが庭山耕園とその門人らによる「淀川両岸帖」です。当館はこの作品を2020年に新収蔵しました。収蔵後、本展が初公開となります。
 大坂の市中には堀川が網目のように張り巡らされ、八百八橋と称されました。橋上や舟の上は町民にとって夕涼みや花火見物を楽しむ憩いの場でした。天神祭の船渡御の舞台も大川です。その熱気は江戸の浮世絵師歌川貞秀の錦絵にも描かれています。また、道頓堀の芝居をかける際に、役者が船に乗って市中を巡る「船乗込」も川筋で華やかに行われました。商いの流通や暮らし、そして文化が水とともにあった大坂。本展では大阪くらしの今昔館所蔵の絵画や錦絵を用いて、水都とよばれた大坂の情景を想起します。
※「淀川両岸図巻」公益財団法人アルカンシエール美術財団蔵(本展の出品はございません)

開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
閉館日 :火曜日

会  場:大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)企画展示室
入館料 :(8階常設展示室の入場料を含む)
     一般400円(団体300円)
     高校生・大学生300円(団体200円)(要学生証提示)
     (注)団体は20名以上
     大阪周遊パスでもご入場いただけます。
     中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料です。(要証明書提示)

【町家と茶室の展示】
 企画展示室内には、江戸時代における大坂の商家座敷の再現や、重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵」の構造模型(公益財団法人 竹中大工道具館蔵)など実物大の模型を設置し、2種の建築から住まいと暮らしの様相をお見せします。

淀川両岸帖(部分)庭山耕園他
よど川のすずみ船 菅 楯彦
浪速天満祭 歌川貞秀
『滑稽浪花名所』のうち ざこば魚市 芳豊


〇【住まいのミュージアム20周年記念事業】
 「大阪くらしの今昔館」のバトンを繋ぐ


 「大阪市立住まいのミュージアム」は、大阪の住まいや暮らしの歴史を再現・発信する体験型ミュージアムとして2001年4月に開館し、本年4月に20周年を迎え、これまで延べ540万人を超える方々にご来館いただきました。
 このたびの20周年を記念し、開館から本年3月まで館長を務めた谷直樹先生と、本年4月に館長に就任した増井正哉館長による新旧館長の講演と対談が開催されます。

■日 時:令和3年10月23日(土)13:00~15:20(開場12:30~)
■場 所:大阪市立住まい情報センター3階ホール
■定 員:150名(定員を超えた場合は抽選)
 ※今後の新型コロナウィルス感染症の状況により定員の変更やシンポジウムを中止する場合があります。
■参加費:無料
■主 催:大阪市/大阪市立住まい情報センター

詳しくは、こちらから。
https://www.osaka-angenet.jp/event/117

申し込みは、こちらから。
https://www.osaka-angenet.jp/event/117/entry




〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、9月18日より令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し、茶室の実物大構造模型とともに展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。

・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。今年で開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館は開館していますが、イベント・ワークショップ等の開催は中止しています。

 イベント・ワークショップおよびボランティアによる展示解説(町家衆による町家ツアー)等は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、当面の間 開催を中止いたします。

 開催を楽しみにしてくださった皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をいただきますようお願いいたします。


〇大阪くらしの今昔館を紹介する動画作成プロジェクトが「2021年度都市住宅学会賞・業績賞」を受賞しました

 受賞対象は「歴史博物館から発信する大阪の町家と住文化の魅力-子ども・若者・外国人に町家と住文化を理解してもらうための動画制作プロジェクト-」です。
 この動画制作プロジェクトは、2018年度に申請者らからなる博物館住まい学習研究会が「建築技術教育普及センター」の助成を受け、大阪くらしの今昔館の9階常設展示「商家の賑わい」で撮影・編集し、2019年3月に完成しました。ドイツ人留学生のザビ-ネさんがナビゲートし、今昔館ボランティア「町家衆」の皆さんが江戸時代の住民に扮して出演しています。その後、2019年7月からYouTubeで配信しました。

 大阪くらしの今昔館を紹介する学習ビデオは、「なにわの町並み」、「町家の商い」、「町家のくらしとおもてなし」、「裏長屋のくらし」の4編(それぞれ日本語字幕版と英語字幕版)で構成されています。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒konjyakukan.com/link_pdf/今昔館のオンラインまなびプログラム.pdf





 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
http://konjyakukan.com/index.html


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



2021年9月15日水曜日

今週の今昔館(284) 近代展示室の見どころ(2) 大阪市パノラマ地図 20210915

〇今昔館の近代展示室の見どころ(2) 「大阪市パノラマ地図」

 大阪くらしの今昔館は、展示替えのための臨時休館中ですが、9月18日から開館予定です。しかし、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。そこで今回は、近代展示室のなかから、フロア中央の床面に光床として展示している「大阪市パノラマ地図」をご紹介します。

大阪くらしの今昔館近代のフロアの「大阪市パノラマ地図」

 「大阪市パノラマ地図」は、大正時代終わり頃の大阪市街地を描いた鳥瞰図で、大正13年(1924)1月に発行されました。大阪市の南西、大阪湾の上空から北東方向を眺めた図柄で、図の左上が北になっています。

大阪市パノラマ地図(大正13年(1924)発行)

 地図の中央には、大阪の船場、島之内、天満など、大坂三郷と呼ばれた江戸時代以来の市街地が描かれ、東西南北に規則正しく区画された町割であったことが分かります。とくに、図の左半分には大川(淀川)が蛇行して流れ、市街地には東横堀と西横堀、長堀、道頓堀などの堀川が縦横に流れる姿は、「水の都」にふさわしい風景です。地図の中心には、西横堀と長堀が十字にクロスするところに四ツ橋が描かれています。
 長堀をX軸、西横堀をY軸として、右上には大阪城、右下には四天王寺と新世界、左下には大阪港、左上には大阪駅が描かれています。右下には、エリア外にある住吉大社が挿絵として描かれています。

四ツ橋を中心に、四隅に大阪城、四天王寺・新世界、大阪港、大阪駅が、
右下には挿絵として、住吉大社が描かれている
地図の中心に描かれている四ツ橋

 図の作者は美濃部政治郎、発行者は日下伊兵衛(大阪、日下わらじ屋)で、大正12年12月に印刷、大正13年1月に発行されました。
 詳細にみると、公共施設や寺社はもちろんのこと、市電の停留所や学校、郵便局、交番や風呂屋まで書き込まれていて、図の中に入り込んで楽しめるパノラマ地図となっています。

大阪梅田停車場
(現在の「うめきた」は当時は大阪駅構築予定地です。)
大阪城
(天守閣はまだありません。昭和6年の再建です。)
新世界・天王寺公園・四天王寺
(初代通天閣と木造の五重塔)
築港・大桟橋
(欄外には発行者などの文字があります。)

 当時の大阪市は東西南北の4区で、市域はほぼこの地図に描かれている範囲でした。この地図発行の翌年、大正14年(1925)4月1日、大阪市は周辺の町を合併(第二次市域拡張)して、面積181平方キロメートル、人口211万人となり、東京市を上回る日本一の大都市となりました。当時は世界でも6番目に人口の多い都市でした。いわゆる「大大阪」の時代です。

 大阪は、「天下の台所」と称された江戸時代以来の経済地盤を活かして、商業・紡績・鉄鋼などの産業が栄え、近代建築が建ち並び、華やかで活気にあふれた、近代大阪の黄金時代を迎えました。

 「大大阪」の象徴的なできごととしては、大阪城天守閣の再建(1931年)や大阪市営地下鉄1号線(御堂筋線)の建設(1933年に梅田から心斎橋間が開通)、御堂筋の拡幅(1937年)、中央卸売市場の開設などがありますが、この「大阪市パノラマ地図」が制作された大正時代末にはいずれもなく、地図には表現されていません。大正末からの10年間で大阪は大きく変貌しました。この地図には、いわば大大阪前夜の大阪が描かれているといえます。

拡幅前の御堂筋
(市電は大阪駅から梅田新道を経て淀屋橋南詰を東へ左折して北浜2丁目へ。
そこで右折して堺筋を南進して日本橋・天王寺へ向かう。

当時は堺筋がメインストリートでした。)
御堂筋拡幅前の心斎橋付近
(大丸、十合(そごう)は心斎橋筋に顔を向けています。
御堂筋の位置には長堀、道頓堀に橋がありません。)

 この地図は、大阪くらしの今昔館8階の近代のフロアで、じっくりと見ていただくことができます。原本の寸法は、タテ78.5センチ、ヨコ108.6センチとコンパクトなサイズですが、今昔館では、6つの模型(住まいの六景)の間の床面にタテ4.8m、ヨコ6.6mと約6倍に拡大して光床として展示しています。ほのかに光る床面に文字や図がぼやけることなく鮮明に読み取ることができます。90年以上前の制作としては、相当に精密な出来栄えであったことがわかります。


大阪市パノラマ地図の解説板・QRコード

 原本は90年前の発行ということもあり入手はなかなか困難ですが、大阪市立中央図書館、府立中之島図書館などで閲覧することができます。復刻版は大阪くらしの今昔館のミュージアムショップなどで手に入れることができます。
 パソコンをご利用の方は、国際日本文化研究センターのHPから閲覧することができます。画像はとても鮮明で拡大も自由にできます。
 スマホをご利用の方は、「こちずぶらり」というアプリ(無料)を利用すると、GPS機能によって地図上に現在位置を表示させることができます。まち歩きの際などに現地で大正時代に何があったかを確認することができて便利です。

 大大阪時代の約10年間に、大阪のまちは大きく変化し発展します。昭和12年発行の「大大阪観光地図」を見ると、10年間の変化がよくわかります。映画「大大阪観光」のダイジェスト版も公開されています。昭和初期の躍動的な大阪の町並みを映した貴重な映像です。こちらから見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=fM8r9pFb75I

大大阪観光地図表題
大大阪観光地図梅田付近
昭和8年(1933)地下鉄1号線梅田~心斎橋開通
大大阪観光地図中之島
昭和10年(1935)新大阪ホテル開業
大大阪観光地図心斎橋
昭和8年(1933)地下鉄1号線梅田~心斎橋開通、昭和12年(1937)御堂筋竣工
大大阪観光地図千日前難波
昭和7年(1932)大阪歌舞伎座開場、昭和10年(1935)地下鉄1号線なんばまで延伸
大大阪観光地図天王寺公園
昭和11年(1936)市立美術館開館、昭和13年(1938)地下鉄1号線天王寺まで延伸
大大阪観光地図大阪城
昭和6年(1931)大阪城天守閣竣工

 江戸時代の古地図や、大大阪観光地図、現在の地図を見ながら、ガリバーになった気分で大阪市パノラマ地図を眺めると、さらに楽しみが増えると思います。ブラタモリの気分で楽しんでみませんか。

 また、今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4




〇天井改修工事の実施に伴う臨時休館および一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事に伴う展示替えのため、令和3年9月1日から9月17日までは、全館臨時休館となります。
 また、天井改修工事の実施に伴い、9月18日より令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し、茶室の実物大構造模型とともに展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。

・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



〇企画展「商都慕情Ⅱ‐水のまち大阪を巡る -」は9月18日からです

 令和3年9月18日(土)~11月14日(日)

 江戸時代、淀川は京都と大坂をつなぐ動脈として、人や物資が往来し、絵画にもよく描かれました。とくに、円山応挙が京都伏見から大坂天満橋までの両岸の光景を描いた絵巻がよく知られています※。この絵巻から昭和初期に大阪の絵師が6つの場面を模写していました。それが庭山耕園とその門人らによる「淀川両岸帖」です。当館はこの作品を2020年に新収蔵しました。収蔵後、本展が初公開となります。
 大坂の市中には堀川が網目のように張り巡らされ、八百八橋と称されました。橋上や舟の上は町民にとって夕涼みや花火見物を楽しむ憩いの場でした。天神祭の船渡御の舞台も大川です。その熱気は江戸の浮世絵師歌川貞秀の錦絵にも描かれています。また、道頓堀の芝居をかける際に、役者が船に乗って市中を巡る「船乗込」も川筋で華やかに行われました。商いの流通や暮らし、そして文化が水とともにあった大坂。本展では大阪くらしの今昔館所蔵の絵画や錦絵を用いて、水都とよばれた大坂の情景を想起します。
※「淀川両岸図巻」公益財団法人アルカンシエール美術財団蔵(本展の出品はございません)

開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
閉館日 :火曜日

会  場:大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)企画展示室
入館料 :(8階常設展示室の入場料を含む)
     一般400円(団体300円)
     高校生・大学生300円(団体200円)(要学生証提示)
     (注)団体は20名以上
     大阪周遊パスでもご入場いただけます。
     中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料です。(要証明書提示)

【町家と茶室の展示】
 企画展示室内には、江戸時代における大坂の商家座敷の再現や、重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵」の構造模型(公益財団法人 竹中大工道具館蔵)など実物大の模型を設置し、2種の建築から住まいと暮らしの様相をお見せします。

淀川両岸帖(部分)庭山耕園他
よど川のすずみ船 菅 楯彦
浪速天満祭 歌川貞秀
『滑稽浪花名所』のうち ざこば魚市 芳豊


〇【住まいのミュージアム20周年記念事業】
 「大阪くらしの今昔館」のバトンを繋ぐ


 「大阪市立住まいのミュージアム」は、大阪の住まいや暮らしの歴史を再現・発信する体験型ミュージアムとして2001年4月に開館し、本年4月に20周年を迎え、これまで延べ540万人を超える方々にご来館いただきました。
 このたびの20周年を記念し、開館から本年3月まで館長を務めた谷直樹先生と、本年4月に館長に就任した増井正哉館長による新旧館長の講演と対談が開催されます。

■日 時:令和3年10月23日(土)13:00~15:20(開場12:30~)
■場 所:大阪市立住まい情報センター3階ホール
■定 員:150名(定員を超えた場合は抽選)
 ※今後の新型コロナウィルス感染症の状況により定員の変更やシンポジウムを中止する場合があります。
■参加費:無料
■主 催:大阪市/大阪市立住まい情報センター

詳しくは、こちらから。
https://www.osaka-angenet.jp/event/117

申し込みは、こちらから。
https://www.osaka-angenet.jp/event/117/entry




〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。今年で開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館は開館していますが、イベント・ワークショップ等の開催は中止しています。

 イベント・ワークショップおよびボランティアによる展示解説(町家衆による町家ツアー)等は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、当面の間 開催を中止いたします。

 開催を楽しみにしてくださった皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をいただきますようお願いいたします。


〇大阪くらしの今昔館を紹介する動画作成プロジェクトが「2021年度都市住宅学会賞・業績賞」を受賞しました

 受賞対象は「歴史博物館から発信する大阪の町家と住文化の魅力-子ども・若者・外国人に町家と住文化を理解してもらうための動画制作プロジェクト-」です。
 この動画制作プロジェクトは、2018年度に申請者らからなる博物館住まい学習研究会が「建築技術教育普及センター」の助成を受け、大阪くらしの今昔館の9階常設展示「商家の賑わい」で撮影・編集し、2019年3月に完成しました。ドイツ人留学生のザビ-ネさんがナビゲートし、今昔館ボランティア「町家衆」の皆さんが江戸時代の住民に扮して出演しています。その後、2019年7月からYouTubeで配信しました。

 大阪くらしの今昔館を紹介する学習ビデオは、「なにわの町並み」、「町家の商い」、「町家のくらしとおもてなし」、「裏長屋のくらし」の4編(それぞれ日本語字幕版と英語字幕版)で構成されています。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒konjyakukan.com/link_pdf/今昔館のオンラインまなびプログラム.pdf





 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
http://konjyakukan.com/index.html


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html