2021年11月24日水曜日

今週の今昔館(294) 近代展示室の見どころ(12) 造幣局 20211124

〇今昔館の近代展示室の見どころ(12)「大阪市パノラマ地図」

 大阪くらしの今昔館は、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。前回に引き続き近代のフロアの見どころをご紹介します。

 今回は、大阪市パノラマ地図から、造幣局をご紹介します。鳥瞰図ですので左上が北になっています。

 下の地図は大阪市パノラマ地図の造幣局を拡大したものです。泉布観も描かれています。造幣局の通り抜けでも有名な桜の名所・桜宮ということで、ちゃんと桜並木が描かれています。
A 現在はどうなっているでしょうか?
B 江戸時代天保年間には何があったでしょうか?
C 地図の左端の三菱精錬所は現在どうなっているでしょうか?
D 大川に架かる「よどがはばし」は現在どうなっているでしょうか?


解答と解説
A 独立行政法人造幣局。建物は建て替えられていますが、今もここに健在です。
B 幕府米蔵、木材蔵、津藩蔵屋敷、岸和田藩蔵屋敷など、大坂では数少ない武家地でした。
C 大阪アメニティパーク(OAP)
D 南側に桜宮橋(銀橋)が架け替えられました。そのため、造幣局と泉布観の間を国道が通っています。さらに旧桜宮橋の北隣に新桜宮橋が架けられました。

 造幣局は、近代国家としての貨幣制度の確立を図るため、明治新政府によって大阪の現在地(大阪市北区)に創設され、明治4年4月4日に創業式を挙行し、当時としては画期的な洋式設備によって貨幣の製造を開始しました。
 その頃我が国では、機械力を利用して行う生産工業が発達していなかったため、大型の機械設備は輸入するとしても、貨幣製造に必要な各種の機材の多くは自給自足するよりほかなかったので、硫酸、ソーダ、石炭ガス、コークスの製造や電信・電話などの設備並びに天秤、時計などの諸機械の製作をすべて局内で行っていました。また事務面でも自製インクを使い、我が国はじめての複式簿記を採用し、さらに風俗面では断髪、廃刀、洋服の着用などを率先して実行しました。
 このように、造幣局は、明治初年における欧米文化移植の先駆者として、我が国の近代工業及び文化の興隆に重要な役割を果たしたので、大阪市が今日我が国商工業の中心として隆盛を見るようになったのも、造幣局に負うところが少なくないといわれています。
 その後、造幣局は、貨幣の製造のほか、時代の要請にこたえて勲章・褒章及び金属工芸品等の製造、地金・鉱物の分析及び試験、貴金属地金の精製、貴金属製品の品位証明(ホールマーク)などの事業も行っています。オリンピックの金メダルなどもここで制作されています。
 平成15年4月1日から、独立行政法人造幣局となりました。
 以上、独立行政法人造幣局さんのホームページを参考にしました。


浪華名所獨案内の天満付近
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の東天満付近
明治41年、昭和4年、昭和22年の地形図、最近の航空写真の東天満付近
(今昔マップ3)

 昔の地図を見ながらのまち歩き、古地図を片手に、スマホをお持ちの方はスマホに古地図を取り込んで、いろんな所へちょっと出かけてみませんか?

 スマートフォン(iPhone、アンドロイド)をご利用の方は、「こちずぶらり」というアプリを利用すると、GPS機能によって地図上に現在位置を表示させることができます。まち歩きの際などにその場所に昔は何があったかを現地で確認することができて便利です。
 大阪くらしの今昔館8階の近代のフロアの中央に、大阪市パノラマ地図を拡大して床面に展示しています。パノラマ地図を見ながら、「昔は何があったのかな?」「今はどうなっているのかな?」と昔と今を比較して考えを廻らしてみるのも興味深いと思います。

 大阪市パノラマ地図については、こちらに詳しい解説があります。
http://konkon2001.blogspot.jp/2017/10/blog-post_10.html
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2015/08/blog-post_29.html


 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4




〇企画展「大工頭中井家伝来 茶室起こし絵図展」が始まりました

 2021年11月19日(金)〜2022年1月16日(日)

 わびの造形を極限にまでつきつめた草庵風茶室、それを書院にもちこみ洗練させた数寄屋風書院。いずれも現在の和室の原点とされています。本展覧会は、そうした茶室と数寄屋を、江戸時代の大工の手になる紙の建築模型「起こし絵図」によって紹介します。出品作品は、徳川幕府の京都大工頭として活躍した中井家に伝来したもので、国の重要文化財に指定されています(中井正知氏・中井正純氏蔵)。日本を代表する茶室、妙喜庵「待庵」、大徳寺龍光院「密庵」、大徳寺孤篷庵「忘筌」、大徳寺真珠庵「庭玉軒」や、現在は失われてしまった幻の茶室の「起こし絵図」も含まれています。同時に展示する茶室「蓑庵」(大徳寺玉林院・重要文化財)の実物大模型(公益財団法人 竹中大工道具館蔵)と併せて、茶室と数寄屋の魅力をご堪能ください。

入館料 :(8階常設展示室の入場料を含む)
     一般4 0 0円(団体3 0 0円)
     高校生・大学生3 0 0円(団体2 0 0円)(要学生証提示)
     (注)団体は2 0名以上
     大阪周遊パスでもご入場いただけます。
     中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の6 5歳以上の方は無料です。(要証明書提示)

【特別展関連講演会のご案内】
※何れの講演会も令和3年10月1日より募集を開始します。

講演会①(終了しました)
開催日:令和3年11月23日(火・祝)
◆中井家本「茶室起こし絵図」の建築史的価値(谷直樹氏/大阪くらしの今昔館前館長・大阪市立大学名誉教授)
◆「茶室起こし絵図」の保存修理(坂田さとこ氏/㊑坂田墨珠堂代表取締役)

詳しくはこちら
https://www.osaka-angenet.jp/event/145

講演会②
開催日: 令和3年12月25日(土)
◆数寄大名小堀遠州と大工頭中井大和守(谷直樹氏/前出)
◆大徳寺塔頭玉林院の茶室「蓑庵」と牌堂「南明庵」の建築にみる大工の技ー数寄屋大工と堂宮大工の協働ー(日向進氏/京都工芸繊維大学名誉教授)

詳しくはこちら
https://www.osaka-angenet.jp/event/146

大徳寺真珠庵茶室「庭玉軒」(起こし絵図)
重要文化財/中井正知氏・中井正純氏蔵
茶室「蓑庵」実物大模型
(公財)竹中大工道具館蔵
小堀遠州自筆書状(中井大和守宛)
重要文化財/中井正知氏・中井正純氏蔵
千利休画像(土佐光芳筆)
大阪城天守閣蔵


〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、9月18日より令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し、茶室の実物大構造模型とともに展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。
・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。今年で開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館は開館していますが、イベント・ワークショップ等の開催は中止しています。

 イベント・ワークショップおよびボランティアによる展示解説(町家衆による町家ツアー)等は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、当面の間 開催を中止いたします。

 開催を楽しみにしてくださった皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をいただきますようお願いいたします。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒konjyakukan.com/link_pdf/今昔館のオンラインまなびプログラム.pdf





 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



2021年11月17日水曜日

今週の今昔館(293) 近代展示室の見どころ(11) 三越百貨店 20211117

〇今昔館の近代展示室の見どころ(11)「大阪市パノラマ地図」

 大阪くらしの今昔館は、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。前回に引き続き、大阪市パノラマ地図から見どころをご紹介します。

 下の地図は大阪市パノラマ地図の堺筋を拡大したもので、地図の中心の赤丸印は三越百貨店です。さて、クイズです。
A この場所は現在はどうなっているでしょうか?
B 江戸時代天保年間には何があったでしょうか?
C 三越はここでいつまで営業していたでしょうか?


解答と解説
A ザ・北浜タワー&プラザ
B 三井越後屋(呉服店)
C 1690年以来三井越後屋として長い歴史がありましたが、阪神淡路大震災で被災し規模を縮小しました。平成17(2005)年5月5日に閉店し、315年の歴史に幕を下ろしました。

 高級呉服店の越後屋(現:三越)が店を構えた堺筋は江戸時代、大きな商店が軒を連ねる大阪随一の繁華街でした。三越によると、越後屋はこの当時、京都で仕入れた高級呉服を直送販売して、大いに繁盛しました。
 三越が江戸日本橋と大坂高麗橋に店を構えたのは、東海道五十七次の両端(まちの中心地)を押さえるためという説があります。三井・三越のホームページをみると、
1673(延宝元)年8月 三井高利が江戸本町一丁目に呉服店「越後屋」を開業。店頭現銀売りを始めた。
1683(天和3)年5月 本町から駿河町(現在地)に移転し、両替店(現在の三井住友銀行)を併置。「店前現銀掛け値なし」、「小裂いかほどにても売ります」のスローガンを掲げるが、これは世界初の正札販売だった。
1691(元禄4)年 春 大阪高麗橋一丁目に呉服店と両替店を開設
とあります。

 江戸進出に当たり、当初から江戸随一の呉服店街である江戸本町1丁目に店を借り受けさせ、その後、掛売・掛値の廃止、店先売り(たなさきうり)、反物の切り売りといった新機軸の展開に合わせて現在地の駿河町(日本橋の袂で、正面に江戸城とそのバックに富士山が望めることから駿河町と呼ばれた)に移転し、大店(おおだな)に発展していったそうです。
 大坂への出店に当たっても初めから高麗橋1丁目(1丁目は大坂城に最も近い)に店を構えています。ブランドへのこだわりは事実だったようです。詳しくは、三井広報委員会のHPをご覧ください。
http://www.mitsuipr.com/history/column/08/
http://www.mitsuipr.com/history/column/09/

 堺筋の繁栄は、明治維新後も続きました。大正期、第一次世界大戦などを契機に資本を蓄積した企業や資産家が数多く現れ、勤労者の所得水準の向上や人口の急増も追い風となって、東京、大阪では本格的な消費文化の時代が到来します。ビジネス街としても発展した堺筋には、三越以外にも高島屋、松坂屋、白木屋が相次ぎ出店。昭和の初めにかけて洋風の高層建築物を競って建て、堺筋は「百貨店通り」と称されるほどのにぎわいを見せました。
 しかし、1937年、第7代の大阪市長、関一氏が手掛けた都市大改造計画によって現在の御堂筋が完成し、梅田と難波の鉄道ターミナルが直結されると、街の様相は一変します。人の流れは堺筋から御堂筋へと移り、三越以外の百貨店は続々と撤退していきました。

 三越が堺筋に踏みとどまったのは、旧三井財閥の祖としてのプライドに加え、他の百貨店と違って「顧客に資産家や商家など富裕層を多く抱えていた」(鈴木伸之店長)事情もありました。太平洋戦争後、高度成長期を経て大阪近郊の人口が急増すると三越は攻めに出て、68年には枚方に分店を出店。74年には大阪店に新館(現本館)を建て、大幅増床しました。
 しかし、三越大阪店の業績は、その後20年間で急速に悪化していきました。最初の契機は84年、閉鎖した旧神戸店の従業員を引き取る受け皿となったことでした。売り上げが増えないのに人件費だけが増え、店は一気に赤字体質へと変化しました。
 そして、95年に発生した阪神大震災は、三越大阪店を危機に追い込みました。旧本館は外壁に亀裂が入り、内部も各階で水漏れや破損の被害を受けて、三越は旧本館の取り壊しを決定。その跡地に96年5月、現在の新館をオープンさせますが、売り場面積は被災前の約2万3000平方メートルから、半分以下の約1万平方メートルへと減少しました。
 大阪店の売上高は94年から95年にかけて一気に約90億円減少。ピーク時の90年に526億円あった売上高は、95年には6割弱の309億円まで減少していました。

 そんな三越にとってさらに致命的だったのが、97年3月に行われた旧国鉄大阪鉄道管理局跡地の競争入札の敗退です。現在、リンクスウメダ、ヨドバシ梅田タワーが建つ土地です。
 現JR大阪駅の北側に隣接する同跡地に、三越は真っ先に進出を表明、阪神大震災の被災前から、大阪店の移転に強い意欲を示していました。被災で取り壊した旧本館は地下1階、地上8階の重厚な洋風建築でしたが、その跡地に建てた現新館は地上2階建ての、中途半端な作り。その理由は、鉄道管理局跡地の入札では下馬評で三越が最も有力視され、三越自身も「どうせ数年すれば梅田に店を移転できる」と受け止めており、本格的な修復投資を行わなかったためでした。
 この誤算によって、新規顧客の獲得もままならない三越大阪店は、さらに窮地に追い込まれていきます。2000年には、閉鎖・売却予定だった心斎橋のそごう大阪店の用地取得に動きます。しかし、そごうが売却を撤回、同地で再建することを決め、この計画も立ち消えになりました。
 大阪店の累積損失は84年から2003年度末までの20年間で600億円を超え、三越は04年9月、ついに閉鎖と土地の売却を決断しました。315年の歴史を刻んだ堺筋・高麗橋の地を離れる三越は、6年間の空白を経て11年、JR西日本がJR大阪駅北側に建設する大阪駅北ビルに再出店する方針でした。(以上、2005年5月5日毎日新聞より)

 当初は三越が直営で出店する予定でしたが、三越と伊勢丹の経営統合に伴う三越伊勢丹ホールディングスの誕生に伴い、ジェイアール西日本伊勢丹が運営することになりました。運営会社は異なりますが、事実上2005年に閉店した三越大阪店(大阪市中央区高麗橋一丁目7番5号)の後継店舗です。
 “ファッションの伊勢丹”の独自色を強く打ち出すため、「イセタンメンズ」や「イセタンガール」など、百貨店が独自に商品の品揃えや売場作りを手掛ける「自主編集売り場」の比率を売り場面積の3割にまで高めた異例の構成としていました。
 同じジェイアール西日本伊勢丹が運営するジェイアール京都伊勢丹が好調なのに対して、すぐ近くに強力なライバル店がひしめく同店は、開業初年度500億の売上目標に対して約6割の334億しかあげられず、その後も不振が続いていたため、5万平方メートルから半分程度に縮小する再建策を発表。2014年7月に10階と地下2階以外のフロアが閉店しました。
 2015年4月、建物自体が「ルクア1100(イーレ)」としてリニューアルするのに伴い、ロゴをセレクト感を強調した小文字に変更し、8つの「isetan」ショップとして新たに入居する形となりました。これにより「JR」「三越」の入った「JR大阪三越伊勢丹」の名称は消滅しました。LUCUA(ルクア)は、Lifestyle(ライフスタイル)+Urban(都会の)+Current(流行の)+Axis(軸)の頭文字をとっており、LUCUA 1100(ルクアイーレ)は、専門店の「1000」と百貨店の「100」の融合を意味し、ドイツ語(ihre)で「あなた(お客様)の」から、お客様のためのLUCUAを追求するという思いも込めているそうです。

 大阪から「三越」の名前が消えてしまったことは寂しいような気もします。

浪華名所獨案内(天保年間)の北船場
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の北船場
明治41年、昭和4年、昭和22年の地形図、最近の航空写真の北船場(今昔マップ3)


 昔の地図を見ながらのまち歩き、古地図を片手に、スマホをお持ちの方はスマホに古地図を取り込んで、いろんな所へちょっと出かけてみませんか?

 スマートフォン(iPhone、アンドロイド)をご利用の方は、「こちずぶらり」というアプリを利用すると、GPS機能によって地図上に現在位置を表示させることができます。まち歩きの際などにその場所に昔は何があったかを現地で確認することができて便利です。
 大阪くらしの今昔館8階の近代のフロアの中央に、大阪市パノラマ地図を拡大して床面に展示しています。パノラマ地図を見ながら、「昔は何があったのかな?」「今はどうなっているのかな?」と昔と今を比較して考えを廻らしてみるのも興味深いと思います。

 大阪市パノラマ地図については、こちらに詳しい解説があります。
http://konkon2001.blogspot.jp/2017/10/blog-post_10.html
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2015/08/blog-post_29.html



 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4




〇企画展「商都慕情Ⅱ‐水のまち大阪を巡る -」は終了しました。


〇次回の企画展は「大工頭中井家伝来 茶室起こし絵図展」

 2021年11月19日(金)〜2022年1月16日(日)

 わびの造形を極限にまでつきつめた草庵風茶室、それを書院にもちこみ洗練させた数寄屋風書院。いずれも現在の和室の原点とされています。本展覧会は、そうした茶室と数寄屋を、江戸時代の大工の手になる紙の建築模型「起こし絵図」によって紹介します。出品作品は、徳川幕府の京都大工頭として活躍した中井家に伝来したもので、国の重要文化財に指定されています(中井正知氏・中井正純氏蔵)。日本を代表する茶室、妙喜庵「待庵」、大徳寺龍光院「密庵」、大徳寺孤篷庵「忘筌」、大徳寺真珠庵「庭玉軒」や、現在は失われてしまった幻の茶室の「起こし絵図」も含まれています。同時に展示する茶室「蓑庵」(大徳寺玉林院・重要文化財)の実物大模型(公益財団法人 竹中大工道具館蔵)と併せて、茶室と数寄屋の魅力をご堪能ください。

入館料 :(8階常設展示室の入場料を含む)
     一般4 0 0円(団体3 0 0円)
     高校生・大学生3 0 0円(団体2 0 0円)(要学生証提示)
     (注)団体は2 0名以上
     大阪周遊パスでもご入場いただけます。
     中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の6 5歳以上の方は無料です。(要証明書提示)

【特別展関連講演会のご案内】
※何れの講演会も令和3年10月1日より募集を開始します。

講演会①
開催日:令和3年11月23日(火・祝)
◆中井家本「茶室起こし絵図」の建築史的価値(谷直樹氏/大阪くらしの今昔館前館長・大阪市立大学名誉教授)
◆「茶室起こし絵図」の保存修理(坂田さとこ氏/㊑坂田墨珠堂代表取締役)

詳しくはこちら
https://www.osaka-angenet.jp/event/145

講演会②
開催日: 令和3年12月25日(土)
◆数寄大名小堀遠州と大工頭中井大和守(谷直樹氏/前出)
◆大徳寺塔頭玉林院の茶室「蓑庵」と牌堂「南明庵」の建築にみる大工の技ー数寄屋大工と堂宮大工の協働ー(日向進氏/京都工芸繊維大学名誉教授)

詳しくはこちら
https://www.osaka-angenet.jp/event/146



〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、9月18日より令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し、茶室の実物大構造模型とともに展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。


・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。今年で開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館は開館していますが、イベント・ワークショップ等の開催は中止しています。

 イベント・ワークショップおよびボランティアによる展示解説(町家衆による町家ツアー)等は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、当面の間 開催を中止いたします。

 開催を楽しみにしてくださった皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をいただきますようお願いいたします。


〇大阪くらしの今昔館を紹介する動画作成プロジェクトが「2021年度都市住宅学会賞・業績賞」を受賞しました

 受賞対象は「歴史博物館から発信する大阪の町家と住文化の魅力-子ども・若者・外国人に町家と住文化を理解してもらうための動画制作プロジェクト-」です。
 この動画制作プロジェクトは、2018年度に申請者らからなる博物館住まい学習研究会が「建築技術教育普及センター」の助成を受け、大阪くらしの今昔館の9階常設展示「商家の賑わい」で撮影・編集し、2019年3月に完成しました。ドイツ人留学生のザビ-ネさんがナビゲートし、今昔館ボランティア「町家衆」の皆さんが江戸時代の住民に扮して出演しています。その後、2019年7月からYouTubeで配信しました。

 大阪くらしの今昔館を紹介する学習ビデオは、「なにわの町並み」、「町家の商い」、「町家のくらしとおもてなし」、「裏長屋のくらし」の4編(それぞれ日本語字幕版と英語字幕版)で構成されています。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒konjyakukan.com/link_pdf/今昔館のオンラインまなびプログラム.pdf





 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



2021年11月10日水曜日

今週の今昔館(292) 近代展示室の見どころ(10) 岩崎橋 20211110

〇今昔館の近代展示室の見どころ(10)「大阪市パノラマ地図」

 大阪くらしの今昔館は、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。前回に引き続き近代のフロアの見どころをご紹介します。

 今回は、大阪市パノラマ地図から、ちょっとマニアックな場所をご紹介します。鳥瞰図ですので左上が北になっています。

 下の地図は大阪市パノラマ地図の岩崎橋付近を拡大したものです。地図の中心の赤丸印の場所には当時瓦斯会社のガスタンクがありました。さて、クイズです。
A 現在、この場所はどうなっているでしょうか?
B 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
C タンクの左の川は現在どうなっているでしょうか?


解答と解説
A 京セラドーム大阪、ドームシティおよびドームシティーガスビル。大阪ドームは1997(平成9)年3月1日にオープンし、2006年7月1日からネーミングライツにより「京セラドーム大阪」になりました。

B 九条村に属する寺嶋田地、岩崎新田。江戸時代の干拓によって新田となった地域です。
C タンクの左手、発電所との間の川は尻無川で、現在は埋め立てられ、その上に京セラドーム大阪が建っています。
 ここは、大阪ガスの発祥の地で、ここから大阪市内(3200戸余)へガス供給を開始したのは、1905年(明治38年)のことでした。


浪華名所獨案内の九条付近(上が東)
天保新改攝州大阪全圖の九条付近(上が北)
明治42年、昭和30年、昭和42年地形図と地理院地図に見る千代崎付近(今昔マップ3)

 大阪ガスのHPによると、設立は、明治30(1897)年4月10日、資本金35万円をもって大阪市西区に設立。明治38(1905)年10月19日、ガスの供給を開始。お客さま数は3,351戸。
 創業の地・大阪市西区には記念碑が建立されており、また京セラドーム大阪のそばにドームシティーガスビルが建設されています。

 大阪市西区千代崎3丁目の地下鉄長堀鶴見緑地線・ドーム前千代崎駅の南100m、大阪ドームのメインエントランスに通じる通路の角に自然石に「大阪ガス発祥の地」と刻まれた記念碑が建っています。ここは 都市ガスを大阪市内に初めて供給した大阪ガス発祥の地で、1997(平成9)年にオープンした“大阪ドーム”は, 都市ガスの天然ガス化の流れの中で, 余剰となったガス工場(岩崎町工場)の土地を転用して造られました。


大阪ガス発祥の地石碑とガス灯
大阪ガス発祥の地石碑
大阪ガス発祥の地石碑碑文

 碑文には、「大阪ガス発祥の地 明治38年(1905年)10月19日 この地に建設された「岩崎町工場」から大阪市内の3200戸余のお客さまに初めてガスの供給が開始された。この当社発祥の地が今や大阪の文化 情報の発信拠点として大きく生まれ変わることを記念しこの石碑を建立する。平成9年3月 大阪ガス株式会社」 とあります。
 ドームの周辺を北から時計回りに見ていくと、イオンモール(ここはかつてアミューズメント施設Padou(パドゥー)があった場所)、ハグ・ミュージアム、ドームシティガスビル、ガスタンク、Osaka Metro本社ビル、九条変電所、大阪市消防局などがあります。前半にガス関係、後半に電気関係の施設が多いことにお気づきの方も多いと思います。なお、大阪市消防局庁舎は、交通局の前身である大阪市電気局庁舎の跡に建設されました。電気局の事業は、Osaka Metroと、関西電力に引き継がれています。
 もう一度、大阪市パノラマ地図を見ると、中央を南北に尻無川が流れており、右に「瓦斯會社」、左に「発電所」と「九条車庫」の文字が見えます。手前には左右(東西)に境川運河が通じています。この付近は水運の便がいい場所で、尻無川を挟んで東に瓦斯、西に電気(市電・電燈用電気)の発祥の地があります。ここは大阪の近代産業のルーツと呼べるのではないでしょうか。



 昔の地図を見ながらのまち歩き、古地図を片手に、スマホをお持ちの方はスマホに古地図を取り込んで、いろんな所へちょっと出かけてみませんか?

 スマートフォン(iPhone、アンドロイド)をご利用の方は、「こちずぶらり」というアプリを利用すると、GPS機能によって地図上に現在位置を表示させることができます。まち歩きの際などにその場所に昔は何があったかを現地で確認することができて便利です。
 大阪くらしの今昔館8階の近代のフロアの中央に、大阪市パノラマ地図を拡大して床面に展示しています。パノラマ地図を見ながら、「昔は何があったのかな?」「今はどうなっているのかな?」と昔と今を比較して考えを廻らしてみるのも興味深いと思います。

 大阪市パノラマ地図については、こちらに詳しい解説があります。
http://konkon2001.blogspot.jp/2017/10/blog-post_10.html
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2015/08/blog-post_29.html



 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4




〇企画展「商都慕情Ⅱ‐水のまち大阪を巡る -」開催中です

 会期は今度の日曜日11月14日まで、残りわずかとなりました。

 江戸時代、淀川は京都と大坂をつなぐ動脈として、人や物資が往来し、絵画にもよく描かれました。とくに、円山応挙が京都伏見から大坂天満橋までの両岸の光景を描いた絵巻がよく知られています(※)。この絵巻から昭和初期に大阪の絵師が6つの場面を模写していました。それが庭山耕園とその門人らによる「淀川両岸帖」です。当館はこの作品を2020年に新収蔵しました。収蔵後、本展が初公開となります。
 大坂の市中には堀川が網目のように張り巡らされ、八百八橋と称されました。橋上や舟の上は町民にとって夕涼みや花火見物を楽しむ憩いの場でした。天神祭の船渡御の舞台も大川です。その熱気は江戸の浮世絵師歌川貞秀の錦絵にも描かれています。また、道頓堀の芝居をかける際に、役者が船に乗って市中を巡る「船乗込」も川筋で華やかに行われました。商いの流通や暮らし、そして文化が水とともにあった大坂。本展では大阪くらしの今昔館所蔵の絵画や錦絵を用いて、水都とよばれた大坂の情景を想起します。
※「淀川両岸図巻」公益財団法人アルカンシエール美術財団蔵(本展の出品はございません)

開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
閉館日 :火曜日

会  場:大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)企画展示室
入館料 :(8階常設展示室の入場料を含む)
     一般400円(団体300円)
     高校生・大学生300円(団体200円)(要学生証提示)
     (注)団体は20名以上
     大阪周遊パスでもご入場いただけます。
     中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料です。(要証明書提示)

【町家と茶室の展示】
 企画展示室内には、江戸時代における大坂の商家座敷の再現や、重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵」の構造模型(公益財団法人 竹中大工道具館蔵)など実物大の模型を設置し、2種の建築から住まいと暮らしの様相をお見せします。

淀川両岸帖(部分)庭山耕園他
よど川のすずみ船 菅 楯彦
浪速天満祭 歌川貞秀
『滑稽浪花名所』のうち ざこば魚市 芳豊


〇次回の企画展は「大工頭中井家伝来 茶室起こし絵図展」

 会期:2021年11月19日(金)〜2022年1月16日(日)

 わびの造形を極限にまでつきつめた草庵風茶室、それを書院にもちこみ洗練させた数寄屋風書院。いずれも現在の和室の原点とされています。本展覧会は、そうした茶室と数寄屋を、江戸時代の大工の手になる紙の建築模型「起こし絵図」によって紹介します。出品作品は、徳川幕府の京都大工頭として活躍した中井家に伝来したもので、国の重要文化財に指定されています(中井正知氏・中井正純氏蔵)。日本を代表する茶室、妙喜庵「待庵」、大徳寺龍光院「密庵」、大徳寺孤篷庵「忘筌」、大徳寺真珠庵「庭玉軒」や、現在は失われてしまった幻の茶室の「起こし絵図」も含まれています。同時に展示する茶室「蓑庵」(大徳寺玉林院・重要文化財)の実物大模型(公益財団法人 竹中大工道具館蔵)と併せて、茶室と数寄屋の魅力をご堪能ください。

入館料 :(8階常設展示室の入場料を含む)
     一般4 0 0円(団体3 0 0円)
     高校生・大学生3 0 0円(団体2 0 0円)(要学生証提示)
     (注)団体は2 0名以上
     大阪周遊パスでもご入場いただけます。
     中学生以下、障がい者手帳等持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の6 5歳以上の方は無料です。(要証明書提示)

【特別展関連講演会のご案内】
※何れの講演会も令和3年10月1日より募集を開始します。

講演会①
開催日:令和3年11月23日(火・祝)
◆中井家本「茶室起こし絵図」の建築史的価値(谷直樹氏/大阪くらしの今昔館前館長・大阪市立大学名誉教授)
◆「茶室起こし絵図」の保存修理(坂田さとこ氏/㊑坂田墨珠堂代表取締役)

詳しくはこちら
https://www.osaka-angenet.jp/event/145

講演会②
開催日: 令和3年12月25日(土)
◆数寄大名小堀遠州と大工頭中井大和守(谷直樹氏/前出)
◆大徳寺塔頭玉林院の茶室「蓑庵」と牌堂「南明庵」の建築にみる大工の技ー数寄屋大工と堂宮大工の協働ー(日向進氏/京都工芸繊維大学名誉教授)

詳しくはこちら
https://www.osaka-angenet.jp/event/146



〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、9月18日より令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し、茶室の実物大構造模型とともに展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。


・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。今年で開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館は開館していますが、イベント・ワークショップ等の開催は中止しています。

 イベント・ワークショップおよびボランティアによる展示解説(町家衆による町家ツアー)等は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、当面の間 開催を中止いたします。

 開催を楽しみにしてくださった皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をいただきますようお願いいたします。


〇大阪くらしの今昔館を紹介する動画作成プロジェクトが「2021年度都市住宅学会賞・業績賞」を受賞しました

 受賞対象は「歴史博物館から発信する大阪の町家と住文化の魅力-子ども・若者・外国人に町家と住文化を理解してもらうための動画制作プロジェクト-」です。
 この動画制作プロジェクトは、2018年度に申請者らからなる博物館住まい学習研究会が「建築技術教育普及センター」の助成を受け、大阪くらしの今昔館の9階常設展示「商家の賑わい」で撮影・編集し、2019年3月に完成しました。ドイツ人留学生のザビ-ネさんがナビゲートし、今昔館ボランティア「町家衆」の皆さんが江戸時代の住民に扮して出演しています。その後、2019年7月からYouTubeで配信しました。

 大阪くらしの今昔館を紹介する学習ビデオは、「なにわの町並み」、「町家の商い」、「町家のくらしとおもてなし」、「裏長屋のくらし」の4編(それぞれ日本語字幕版と英語字幕版)で構成されています。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒konjyakukan.com/link_pdf/今昔館のオンラインまなびプログラム.pdf





 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html