2017年9月26日火曜日

今週の今昔館(78) 近代都市住宅年表 岸の里試験住宅 20170926

〇今昔館の近代展示室を愉しむ(12) 近代都市住宅年表 

 今回も引き続き、近代展示室の外周にある「近代都市住宅年表」について、ご紹介することとします。

 明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたものです。この年表の下の段には各時代の代表的な住宅の立面図が同じスケールで描かれています。今回は、その中から終戦後の部分をご紹介します。

城北バス住宅と岸の里試験住宅(近代都市住宅年表)

 「城北バス住宅」については、住まいの六景の「城北バス住宅-転用住宅と戦災復興-」のところでご説明しましたので、今回は「岸の里試験住宅」についてご紹介します。

 膨大な住宅不足の解消に向けて、公営住宅の建設システムの整備が行われつつあるとき、木造量産住宅を直営で行うという企画が立てられていました。その試みとして岸の里試験住宅が昭和23年12月に50戸が建設されました。家族のだんらん空間の重視、家事労働の合理化、床座から椅子座への移行など、住生活の近代化に対応した新しい間取りが採用されました。
岸の里試験住宅外観(まちに住まうー大阪都市住宅史)
岸の里試験住宅平面図(まちに住まうー大阪都市住宅史)


 プレハブ住宅は現代の都市住宅の一典型になっています。多数の消費者に対し短い施工期間で低価格・高品質の住宅を提供することを目的に、部材・仕様が規格化され、部材が大量生産されることによって建設の仕方が合理化・工業化されました。大阪にはプレハブ住宅メーカーが多数集まり、わが国の住宅産業の先進地域となっていました。
ミゼットハウスとセキスイA型(近代都市住宅年表)

 昭和34(1959)年10月に「ミゼットハウス」が発表されました。プレハブ住宅の原点と呼ばれ、3時間で建つ勉強部屋として、売り方も営業セールスだけでなく、全国27か所のデパートで展示即売されました。建築が「請負」ではなく「商品」になりました。その後、トイレや台所もつけてというような要望に応えて、「スーパーミゼットハウス」、「ダイワハウスA型」と、本格的なプレハブ住宅へと進化していきました。

 「セキスイハウスA型」は、昭和35(1960)年に発表されました。今年(2016年)3月には、1963年に建築された「山崎家及び臼井家別荘(セキスイハウスA型)」が、プレハブ住宅として初めて国(文化庁)の有形文化財(建造物)に登録されることが決定しました。


寝屋川市の文化住宅(近代都市住宅年表)


 都市への人口集中、宅地価格の上昇などが顕著となる昭和30年代になり、借家需要が高まり、木賃アパートと呼ばれる民間の共同住宅形式の貸家が一般化しました。木造賃貸アパートの略称で、出入り口や便所・洗面所が共通のアパートと、それらが各戸にある文化住宅に区別されます。文化住宅には2階の住戸も入り口だけは1階に設けられ、すべての住戸が直接道路に面している重ね建て形式と、2階の住戸の入り口が2階の外部廊下に面しており、外部階段からアプローチする片廊下形式があります。

 木賃アパートの立地は、利便性が高いにもかかわらず開発の遅れていた大阪市周辺の私鉄沿線に特に集中し、阪急沿線の庄内、京阪沿線の門真・寝屋川などでは、大規模な木賃密集地帯が非常な勢いで形成されました。

東淀川区の建売住宅(近代都市住宅年表)


 昭和50年代前半には、従来は借家需要者であった中・低所得者や若年者をも対象とした分譲住宅の飛躍的増大がありました。この頃の分譲住宅の典型の一つは、ミニ開発と呼ばれる建売一戸建て住宅です。

 ミニ開発は住宅地の環境水準や住宅の物的水準が低いなど多くの課題を抱える一方で、従来の公共住宅や分譲マンションでは満たすことのできなかった住宅需要を巧みにとらえ、庶民生活のいきいきとした側面を引き出してきたことも見逃すことができません。


ドムール北畠(近代都市住宅年表)

 ミニ開発が隆盛を極めていたころ、公共住宅においても従来の中高層住宅にとらわれない、低層住宅を含む多様な住宅形式の模索が始められていました。なかでも、オイルショック以降の低層住宅ブームを背景として、タウンハウスと呼ばれる低層集合住宅の開発が盛んに行われ、民間住宅にも波及していきました。

 数少ない大阪市内のタウンハウスの中で、質の高い住環境形成に成功した事例として、昭和57(1982)年に分譲された阿倍野区のドムール北畠をあげることができます。旧藤田男爵ゆかりの地に建設された23戸の高級住宅で、建物の形態や色彩上の配慮、樹木や土地の形質の保存、既存の敷石や石柱の利用、建築協定の締結など、環境保全に意欲的な取り組みがみられます。


都住創内淡路町(近代都市住宅年表)

 昭和50年代に入っていわゆる需要者参加型集合住宅の建設が活発化してきます。住宅需要者が集まって組合を作り、協同して住宅建設を行うコーポラティブ方式による住宅はその典型です。原則として自由設計であることや実費主義をとっていることに加えて、協同して住宅を取得するというプロセスを通じて入居者相互のコミュニケーションが深まり、入居後の近隣関係や住宅管理を円滑に行いうることなどがこの方式の特色です。

 昭和50(1975)年に松屋町に生まれた都住創(都市住宅を自分たちの手で造る会)は、コーポラティブ住宅づくりを継続的に手がけるとともに、様々な居住関連活動を繰り広げています。


 今回は、「近代都市住宅年表」の終戦後の部分をご紹介しました。各時代の典型的な住宅の立面図が、年表の下に描かれていることがお分かりいただけたかと思います。解説は、「まちに住まう-大阪都市住宅史」を参考にしました。


〇企画展示室が貸しギャラリーに(12月10日まで)
 企画展示室は、9月9日(土)~12月10日(日)までの間、貸ギャラリーとして住まいと暮らしに関わる展覧会の会場として、広く一般の方々にご利用していただいています。
 展覧会のスケジュールは、こちらからご覧ください。
http://konjyakukan.com/tenji.html



〇今週のイベント・ワークショップ

9月27日(水)~30日(土)、10月2日(月)、4日(水)~7日(土)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

9月31日(日)、10月8日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

9月30日(土)
イベント 町家寄席-落語

江戸時代にタイムスリップ!大坂の町で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸、他
14時~15時

10月1日(日)
町家衆イベント 町の解説

江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00

10月8日(日)
町家衆イベント おじゃみ(有料)

古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00

イベント 子ども落語大会 於:天満天神繁昌亭
9/10(日)に開催の、第12回子ども落語大会の入賞者が天満天神繁昌亭の舞台に立ちます
10時~11時30分 観覧無料
場所 天満天神繁昌亭
(大阪市営地下鉄 谷町線・堺筋線南森町駅、JR東西線大阪天満宮駅⓸B出口から徒歩3分)


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。


大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2017年9月19日火曜日

今週の今昔館(77) 村野藤吾、安藤忠雄の作品 20170919

〇今昔館の近代展示室を愉しむ(11)

 大阪くらしの今昔館に村野藤吾、安藤忠雄の作品が展示されています。

 「え~!そんなんあったかなぁ?}という方が多いと思います。特別展ではありません。常設展示の8階近代のフロア「モダン大阪 パノラマ遊覧」の近代都市住宅年表のコーナーにあるのです。

 明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたもので、この年表の下の段には各時代の代表的な住宅の立面図が同じスケールで描かれています。このパネルをじっくり見ると、村野藤吾氏、安藤忠雄氏の作品が見つかります。


8階近代のフロアの「近代都市住宅年表」のコーナー

 「大阪パンション」は、1932年に、大阪南郊の西成区玉出に存在したアパートメントホテルです。建築家・村野藤吾氏が渡辺節建築事務所から独立して間もない時期に手がけた作品です。

 建物は、4階建てのパンション(ペンション、フランス語で下宿屋の意)部分と2階建てのアパート部分からなり、それらがL字形の敷地に合わせて配置されています。個室はプライバシーと採光への配慮から雁行して接続しています。その結果現れる連続して屈折する白色に近い外壁面とバルコニーがもたらす陰影や、外壁面と同面に納められた水平連続窓の扱いなど、村野作品の中でも造形的にもっとも顕著にインターナショナルスタイルの特色を見せるものの1つといえます。内部にはサロンやバー、ビリヤード室が設けられ、地元の名士が集う社交場にもなったといいます。形態的特徴だけでなく提案された生活様式の点でもきわめて先進的な建築でありました。以上、「村野藤吾 建築案内」(TOTO出版)より引用させていただきました。


大阪パンション(近代都市住宅年表)

 「住吉の長屋(すみよしのながや)」は、建築家・安藤忠雄氏の初期の代表的住宅建築です。

 1976年(昭和51年)2月竣工、大阪市住吉区の三軒長屋の真ん中の1軒を切り取り、中央の三分の一を中庭とした鉄筋コンクリート造りの小住宅。総工費予算は解体費を含め1000万円。外に面しては採光目的の窓を設けず、採光は中庭からだけに頼っています。玄関から内部に入ると居間があり、台所や2階に行くには中庭を通らねばなりません。限られた予算と敷地という厳しい条件の中で、建蔽率などの多くの条件をクリアしながら通風や採光を確保し、豊かな空間を創作するため機能性や便利さを犠牲にしてまで、真に必要な生活の質を究極にまで突き詰め、機能性や連続性に絶対的価値をおくことに疑問を持っていたという安藤の渾身の表現であり、関西に根付いた長屋の住み方を現代風にアレンジしたものとして高く評価される一方で、「使いにくい」、「雨の日に傘を差さないとトイレに行けない」などの当然起こりうるべき非難もありました。

 近畿地方(京都、大阪)の長屋住宅は、中庭・通り庭・後庭を備えることを理想とする住宅様式です。しかし敷地が充分でない場合など、良好でない住環境となることも少なくありません。 安藤自身がそうした住環境に長年住み続けて、生活にとって重要である通風、採光、日照などの確保を知悉していたことから、大胆なデザインによる革新的な住宅が着想されました。

 敷地は間口2間、奥行き7件で14坪しかなく、施主の当初の意向など到底反映されないと考えた安藤は、長屋をすっぱり切り取ってコンクリートの箱を入れ、抽象的な芸術に近いような物にしたいと考えました。 安藤曰く「単純ではあるけれども実際には単純ではない、物理的にはどれほど小さな空間であっても、その小宇宙のなかにかけがえのない自然があり豊かさがあるような住宅をつくりたかったのです。」と述べています。また、全体の約三分の一を中庭にすることで、建ぺい率60%でも敷地いっぱいに建てられる合理性もあると考えました。西洋的な環境の中に日本的感性を持ち込むため、日本建築で採用されてきた寸法を採用し、7尺5寸(約2.25m)という天井の高さを決めたとされます。内装材や家具などは天然素材を使用、床は石材、フローリング・家具は木材です。

 1979年(昭和54年)に、日本建築学会賞を受賞。2006年(平成18年)にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれています。以上、ウィキペディアより引用させていただきました。


住吉の長屋(近代都市住宅年表)

 今回は、「近代都市住宅年表」から、村野藤吾氏設計の「大阪パンション」と、安藤忠雄氏設計の「住吉の長屋」について、ご紹介しました。


〇今週のイベント・ワークショップ

9月20日(水)~22日(金)、25日(月)、27日(水)~30日(土)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

9月23日(土・祝)24日(日)、31日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

9月23日(土・祝)~24日(日)
イベント 彼岸の屋台

「のぞきからくり」や「宝引き」など・・ 昔ながらの遊びは、大人も子どもも楽しめます
13時~16時

ぜんざい
11時~
100円/杯(なくなり次第終了)

9月30日(土)
イベント 町家寄席-落語

江戸時代にタイムスリップ!大坂の町で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸、他
14時~15時

10月1日(日)
町家衆イベント 町の解説

江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。


大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2017年9月12日火曜日

今週の今昔館(76) 近代都市住宅年表 改良事業20170912

〇今昔館の近代展示室を愉しむ(10) 近代都市住宅年表 

 今回も、近代展示室の外周にある「近代都市住宅年表」について、ご紹介することとします。
 戦前大阪市には社会部という組織がありました。現在では新聞社にあるような名前の部署ですが、当時の大阪市社会部は、住宅政策や労働政策、児童保護政策などの社会事業を所管していました。社会事業に行政としての対応が始まったことは、都市政策の画期をなすものでした。不良住宅地区改良事業は社会部のもっとも重要な事業のひとつでした。その事業によって建設された住宅が大阪くらしの今昔館に展示されています。常設展示の8階近代のフロア「モダン大阪 パノラマ遊覧」の近代都市住宅年表のコーナーにあります。
 明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたもので、この年表の下の段には各時代の代表的な住宅の立面図が同じスケールで描かれています。このパネルをよく見ると、北日東住宅が見つかります。



北日東町住宅(近代都市住宅年表)

 不良住宅地区改良事業は大阪市社会部(現在の福祉局の前身)のもっとも重要な事業のひとつでした。大阪市は大正13年に住宅密集地区2か所の調査を行い、内務大臣の地区指定を待って昭和2(1927)年に住宅地区改良事業に着手しました。対象地区は19の不良住宅地区、約1900坪でした。
 現居住者を仮住宅に移転させ、土地建物を買収して敷地整備と改良住宅の建設を行った後に居住者を帰還居住させる計画で、昭和4年に今宮住宅が竣工したのを皮切りに、仮住宅5か所と改良住宅5か所が完成しました。当初は7年までに1534戸を建設する予定でしたが、利害関係の調査に手間取ったうえに、資材不足が次第に深刻になり、何回かの延長を重ねて17年度までに18地区中13地区を完了し、19年に打ち切られました。
 建設された改良住宅は木造2階建て280戸、鉄筋コンクリート3階建て共同住宅726戸で、木造の仮住宅は144戸でした。鉄筋コンクリートの共同住宅自体が珍しかった当時、最新の設備を備えた改良住宅は大きな注目を浴びました。
 大阪朝日新聞は、「通称カンテキ裏と呼ばれてゐた南日東町のスラム街が一変して、瀟洒たる客船を思はせる鉄筋コンクリートの三層建築がアスフアルトの舗道を挟んで五棟も出現したんだからまつたく隔世の感がある。」と地域の変貌ぶりと改良住宅の「堂々たるモダニズム」を紹介しています(昭和8(1933)年2月23日付け)。

 解説は、「まちに住まう -大阪都市住宅史-」を参考にさせていただきました。


8階近代のフロアの「近代都市住宅年表」のコーナー



〇企画展示「夏休みだよ!家電採集 昭和レトロ家電 ―マスダコレクション展―」~終了しました~
 多くの皆様のご来館ありがとうございました。


 次の企画展は何?いつから?と聞かれることがありますが、
企画展示室は、9月9日(土)~12月10日(日)までの間、貸ギャラリーとして広く一般の方々のご使用を受け付けています。

 大阪くらしの今昔館ギャラリーは、当館主催の企画展を開催するほか、住まいと暮らしに関わる展覧会の会場として、広く一般の方々のご使用を受け付けています。
 平成29年度の貸出期間が決まりました。下記により、お申し込みください。
 平成24年度から使用料金の割引制度を導入しています。使用日数が1週間を超える場合、超えた日の使用料金が1割引きとなります。
貸出期間:平成29年9月9日(土)~12月10日(日)
ただし、次にあげる日は休館日となります。
平成29年9月12日・19日・26日、10月3日・10日・17日・24日・31日、11月7日・14日・21日・28日 、12月5日
週末はほとんどお申し込みが入っていますが、詳しくはこちらをご覧ください。
http://konjyakukan.com/kashidashi.html


〇「商家の賑わい」の展示
 9月9日(土)から、「商家の賑わい」の展示となっています。
 江戸時代の大坂の店先を再現し、当時の賑やかな商家の様子を楽しめます。



 なお、9月9日以降は通常通り、毎週火曜日が休館日となります。
 9月のカレンダーは、こちらでご確認ください。
http://konjyakukan.com/kaikanjikan.php?nextm=201709



〇今週のイベント・ワークショップ

9月13日(水)~16日(土)、20日(水)~22日(金)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

9月17日(日)、18日(月・祝)、23日(土・祝)、24日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

9月17日(日)
町家衆イベント 今昔語り

大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。
あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
開催日:お茶会と同日
時 間:14:30~15:00

連鶴
折鶴がいくつもつながった連鶴。
一枚の紙から折るところに特色があります。
作り方を詳しくお教えします。
開催日:奇数月の第3日曜
時 間:14:00~15:30

町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00

イベント 町家でお茶会
町家の座敷で「ほっと一息」一服いかがですか
先着順50名、茶菓代300円
※当日12時より8階インフォメーションでお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
13時~15時

9月18日(月・祝)
イベント 上方の華と粋 座敷舞

上方の地で生まれ育った「上方舞」
山村流の立方が町家の座敷で華やかな舞を披露します
舞い方:山村若瑞 他
14時~15時

ワークショップ 『祝袋を作ろう』
⓵13時30分 ⓶14時30分
当日先着各回10名、参加費200円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆

9月23日(土・祝)~24日(日)
イベント 彼岸の屋台

「のぞきからくり」や「宝引き」など・・ 昔ながらの遊びは、大人も子どもも楽しめます
13時~16時

ぜんざい
11時~
100円/杯(なくなり次第終了)


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。


大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2017年9月5日火曜日

今週の今昔館(75) 近代都市住宅年表 適塾 20170905

〇今昔館の近代展示室を愉しむ(9) 近代都市住宅年表 

 前回まで「住まいの大阪六景」の6つの模型を順次ご紹介をしてきました。その中でも、毎回少し触れてきましたが、今回からは、近代展示室の外周にある「近代都市住宅年表」について、ご紹介することとします。
 上の写真は、8階近代のフロア「モダン大阪 パノラマ遊覧」の「近代都市住宅年表」のコーナーです。多分、「そんなものあったかなぁ?」とおっしゃる方が多いのではないでしょうか。
 皆さん、手前に並んでいる冷蔵庫やアイロン、ガスコンロなどのくらしの道具の変遷の方に目がいってしまい、バックの壁面が年表になっていることに気が付かない方が多いようです。
 もちろん、この年表は16年前の開館当時からずっと展示されています。明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたものです。
 この年表の下の段には各時代の代表的な住宅の立面図が統一されたスケールで描かれています。
 今回は、年表の左端、古い時代から見ていくこととしましょう。



 左端の建物は適塾です。適塾の建物は、昭和15(1940)年に「緒方適塾趾」の名称で大阪府の史蹟に指定され、翌年、大阪大学に寄贈されたことから、「緒方洪庵旧宅及塾」の名称で国の史跡指定を受けました。建物は戦災による空襲を免れ、昭和39年に「住宅(緒方洪庵旧宅及塾)」国の重要文化財指定を受け、昭和42年に「旧緒方洪庵住宅」の名称に変更されました。昭和51年から56年にかけての修理、その後、阪神淡路大震災や東日本大震災の被害を踏まえ、平成25年1月からから耐震改修工事の検討に入り、10月から工事を始め、翌年3月に竣工しました。これが現在の適塾です。
 現在の適塾の表構え(正面の意匠)は、大正4(1915)年の軒切り以降の姿です。2階の軒先が高い割に虫籠窓が小さく、1階の軒庇が高い位置に設けられています。適塾の表構えに関する古い部材が残されていないので、洪庵時代の表構えは推測の域を出ませんが、「建屋取調図面」によって明治19年当時、すなわち北浜通の軒切り以前の間取りが判明したので、明治初年の表構えを類推することができます。軒切りの規模については、表の軒先が40センチほど下がることになり、1階の軒先も低くなり、江戸時代の大坂らしい町家の外観になります。
 軒切り以前の表構えを残した船場の町家はないので、歴史資料で考察する以外にありません。そこで「守貞謾稿」「街廼噂」といった文献と古写真や絵画資料を参考にすると、大阪の町家の表構えが再現できます。このような手続きを経て復元された当時の表構えが、「近代都市住宅年表」の中にパネル展示されています。
 真ん中の「平野町の町家」は「北船場」の模型のところでご紹介しました。右端の「丹平商会分店」は心斎橋筋にありました。
 その右隣には、「北船場」の模型のところでご紹介しました「小西儀助商店」と「藤澤商店」があります。さらにその隣には、「西天満の内藤家」「上町の三階建長屋」が並んでいます。「西天満の内藤家」は、平成6年(1994)に放送されたNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ぴあの」の舞台となった住宅のモデルです。大阪市北区西天満の老松町にありましたが、残念ながら現存していません。

「西天満の内藤家」(近代都市住宅年表)
連続テレビ小説「ぴあの」の一場面
(NHKアーカイブスより)
「上町の三階建長屋」(近代都市住宅年表)

 今回は、「近代都市住宅年表」から「適塾」をはじめ江戸時代から昭和戦前の住宅をご紹介しました。解説は、大阪くらしの今昔館の谷館長の論文「適塾(旧緒方洪庵住宅)の建築史的・文化財的価値」から抜粋させていただきました。


〇企画展示「夏休みだよ!家電採集 昭和レトロ家電
 ―マスダコレクション展―」~終了しました~
 多くの皆様のご来館ありがとうございました。


 次の企画展は何?いつから?と聞かれることがありますが、
企画展示室は、9月9日(土)~12月10日(日)までの間、貸ギャラリーとして広く一般の方々のご使用を受け付けています。

 大阪くらしの今昔館ギャラリーは、当館主催の企画展を開催するほか、住まいと暮らしに関わる展覧会の会場として、広く一般の方々のご使用を受け付けています。平成29年度の貸出期間が決まりました。下記により、お申し込みください。
 平成24年度から使用料金の割引制度を導入しています。使用日数が1週間を超える場合、超えた日の使用料金が1割引きとなります。
 貸出期間:平成29年9月9日(土)~12月10日(日)
 ただし、次にあげる日は休館日となります。
 平成29年9月12日・19日・26日、10月3日・10日・17日・24日・31日、11月7日・14日・21日・28日 、12月5日

 週末はほとんどお申し込みが入っていますが、詳しくはこちらをご覧ください。
http://konjyakukan.com/kashidashi.html


〇展示替えに伴う休館について
 大阪くらしの今昔館は、9月4日(月)から8日(金)まで、展示替えのため休館いたします。
 9月9日(土)からは、「商家の賑わい」の展示となります。
 江戸時代の大坂の店先を再現し、当時の賑やかな商家の様子を楽しめます。



 なお、9月9日以降は通常通り、毎週火曜日が休館日となります。
 9月のカレンダーは、こちらでご確認ください。
http://konjyakukan.com/kaikanjikan.php?nextm=201709



〇今週のイベント・ワークショップ

※9月4日(月)~8日(金)は、展示替えのため休館です。

9月9日(土)、11日(月)、13日(水)~16日(土)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

9月10日(日)、17日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

9月9日(土)
ワークショップ 『張り子のお面を作ろう』

①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、参加費300円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆

9月10日(日)
町家衆イベント おじゃみ(有料)

古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00

イベント 第12回子ども落語大会
開催日時 平成29年9月10日(日) 午後12時~17時(予定)
開催場所 : 大阪くらしの今昔館 9階常設展示場 薬屋座敷

9月17日(日)
町家衆イベント 今昔語り

大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。
あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
開催日:お茶会と同日
時 間:14:30~15:00

連鶴
折鶴がいくつもつながった連鶴。
一枚の紙から折るところに特色があります。
作り方を詳しくお教えします。
開催日:奇数月の第3日曜
時 間:14:00~15:30

町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00

イベント 町家でお茶会
町家の座敷で「ほっと一息」一服いかがですか
先着順50名、茶菓代300円
※当日12時より8階インフォメーションでお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
13時~15時


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