2022年8月10日水曜日

今週の今昔館(331) 近代展示室の見どころ(19) 天満駅西側の空地 20220810

〇今昔館の近代展示室の見どころ(19)「大阪市パノラマ地図」天満駅西側の空地

 大阪くらしの今昔館は、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。前回に引き続き近代のフロアの見どころをご紹介します。

 今回は、大阪市パノラマ地図に描かれている天満駅西側の空地をご紹介します。国鉄天満駅の西側、天神橋筋を超えたところに大きな空地があります。

 さて、クイズです。
A この空地は何かが移転した跡地です。何がどこへ移転したでしょうか?
B 江戸時代には何があったでしょうか?
C 現在はどうなっているでしょうか?
D 1950年の国際大会に向けて、ここに建設された施設は何でしょうか?


解答と解説
A 堀川監獄が堺市に移転した跡地
B 備前岡山藩の蔵屋敷(堀川備前陣家)
C 扇町公園、関西テレビ放送、キッズプラザ大阪、北区役所ほか
D 大阪プール(「日米国際水泳選手権大会」開催に向けて建設されました)

 江戸時代ここには天満堀川に沿って備前岡山藩の蔵屋敷があり、浪花百景にも「堀川備前陣家」が描かれています。1882年、蔵屋敷跡は堀川監獄になりました。1895年の天満停車場開業(当時は大阪鉄道の駅)、1897年の大阪市域への編入により、付近は急速に市街化し、監獄は1920年に堺市に移転しました。おりから公園の必要性が認められてきた時期であり、跡地には1923年に扇町公園が誕生。大阪市パノラマ地図には監獄が移転した直後の姿が描かれています。
 戦後1950年の「日米国際水泳選手権大会」開催に向けて、ナイター照明付きで収容能力22,000人の「大阪プール」がわずか5カ月というスピード工事で完成。古橋廣之進選手らの活躍に、日本中が大会の熱狂に包まれました。
 大阪プールは水泳の聖地として、また、プロレスなどの多くのスポーツイベントが開催されたことでも知られていました。しかし、老朽化もあって、大阪プールは1996年に港区の八幡屋公園に移転。扇町公園の南西入口には大阪プールの競泳用の飛び込み台がオブジェとして残されています。
 大阪検定ポスター展2022にも、出題されています。

浪花百景「堀川備前陣屋(芳雪画)」
(大阪市立図書館デジタルアーカイブ)
扇町公園に残る大阪プールの飛び込み台、後方の建築は関西テレビ放送


〇特別展「商都大坂の豪商・加島屋 あきない町家くらし」開催中です

2022年7月15日(金)〜2022年9月26日(月)

江戸時代の大坂は、「天下の台所」とうたわれ、日本経済の中心地でした。この企画展では大坂を代表する豪商であった加島屋・廣岡家の商い・住まい・暮らしを紹介します。加島屋は米仲買や蔵屋敷の管理を行い、堂島米市場の中心的存在でした。同家の本宅は土佐堀川に面した玉水町(現・大阪市西区江戸堀一丁目)にあり、今回、あらたに発見された資料から、その店がまえや華やかな暮らしぶりが明らかになりました。加島屋をルーツとする大同生命保険株式会社では、創立120周年記念事業のひとつとして、加島屋本宅の復元模型を製作し、大阪くらしの今昔館はその監修をおこないました。この展覧会はその調査成果を展示したものです。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/exhibition_special/260000359



〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。


・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。昨年、開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/manabi_program/今昔館のオンラインまなびプログラム




 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



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