2022年8月24日水曜日

今週の今昔館(333) 近代展示室の見どころ(20) 網島付近 20220824

〇今昔館の近代展示室の見どころ(20)「大阪市パノラマ地図」網島付近

 大阪くらしの今昔館は、天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。前回に引き続き近代のフロアの見どころをご紹介します。

 今回は、大阪市パノラマ地図の網島付近です。藤田邸が描かれています。

 さて、クイズです。
A 藤田邸の地には江戸時代には何があったでしょうか?
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 藤田邸の手前、「島」の文字のところは、現在どうなっているでしょうか?


解答と解説
A 大長寺という寺院があった
B 藤田美術館、藤田邸跡公園
C ザ・ガーデンオリエンタル・大阪

 江戸時代網島の地には、大長寺という寺院があり、近松門左衛門の「心中天の網島」の舞台にもなりました。明治時代、大長寺は北東約300mの東野田に移転し、大長寺が移転した跡地には、藤田伝三郎により藤田邸が建設されました。1924(大正13)年発行の大阪市パノラマ地図には、本邸と東邸が描かれています。
 戦災によって東邸を残して他の邸宅は焼失しましたが、明治時代に建造の本邸の蔵は焼失を免れました。この蔵を改築して、1954(昭和29)年に藤田美術館が開館しました。
 2017(平成29)年6月から建替工事のために長期休館していましたが、2020年8月建物が完成し、2022年4月1日にニューアルオープンしました。建物完成から開館までに期間があるのは、建物の湿気等を除くための「枯らし」のためです。
 「ふれて、感じて、つながる美術館」を目指し、扉や床、天井のルーバーには旧建物の部材を再利用しています。大正時代に高野山から移築された多宝塔は、曳家によって保存活用。庭園は藤田邸跡公園との境を取り払い、広大で奥行きある風景を愉しめます。美術館内は展示室を3つに仕切り、毎月ひとつずつ新しいテーマを設定しています。3か月に一度の訪問で全テーマを見ることができます。

 戦災をまぬかれた東邸は太閤園として利用されてきましたが、2021年(令和3年)6月30日に営業を終了することとなり、跡地は創価学会に売却されました。
 藤田邸西邸の跡地には、1959年(昭和34年)秋に第5回日米市長及び商工会議所会頭会議が大阪で開催されるのを機に迎賓館・市長公館として大阪市公館が建設されました。大阪市公館は、2014年(平成26年)3月末で閉館され、その建物と敷地を民間企業が10年間の賃貸借契約で大阪市から借り受け、ザ・ガーデンオリエンタル・大阪を営業しています。



〇特別展「商都大坂の豪商・加島屋 あきない町家くらし」開催中です

2022年7月15日(金)〜2022年9月26日(月)

江戸時代の大坂は、「天下の台所」とうたわれ、日本経済の中心地でした。この企画展では大坂を代表する豪商であった加島屋・廣岡家の商い・住まい・暮らしを紹介します。加島屋は米仲買や蔵屋敷の管理を行い、堂島米市場の中心的存在でした。同家の本宅は土佐堀川に面した玉水町(現・大阪市西区江戸堀一丁目)にあり、今回、あらたに発見された資料から、その店がまえや華やかな暮らしぶりが明らかになりました。加島屋をルーツとする大同生命保険株式会社では、創立120周年記念事業のひとつとして、加島屋本宅の復元模型を製作し、大阪くらしの今昔館はその監修をおこないました。この展覧会はその調査成果を展示したものです。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/exhibition_special/260000359



〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、令和4年秋頃(予定)までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。


・天井改修工事期間中の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。昨年、開館20周年を迎えました。
 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo

 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。


〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇【動画】重文茶室「蓑庵」ー構造模型で見る茶室建築の世界
 重要文化財 大徳寺玉林院茶室「蓑庵(さあん)」の実物大構造模型(竹中大工道具館所蔵)を京都工芸繊維大学名誉教授 日向進先生が分かりやすく解説してくださいます。
 こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=tqJEnPZckbc&feature=youtu.be



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/manabi_program/今昔館のオンラインまなびプログラム




 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



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