2022年9月22日木曜日

今週の今昔館(337) 近代展示室の見どころ(21) 大阪駅付近 20220922

〇今昔館の近代展示室の見どころ(21)「大阪市パノラマ地図」大阪駅付近

 大阪くらしの今昔館は、天井改修工事の実施に伴い、2022年9月26日までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されています。今回は近代のフロアの見どころとして大阪市パノラマ地図の大阪駅付近をご紹介します。

 1枚目の地図は大阪市パノラマ地図の大阪駅周辺、2枚目は駅舎を拡大したものです。

 さて、クイズです。
A 地図に描かれている駅舎は何代目の駅舎でしょうか?
B 現在の駅舎は何代目でしょうか?
C 大阪駅構築豫定地と書かれている空き地には何があったでしょうか?


解答と解説
A 大阪駅の2代目駅舎
B 現在の大阪ステーションシティは5代目駅舎
C 工業学校(大阪市立大学工学部の前身)、梅田高等女学校(大手前高校の前身)、金蘭女学校などの学校が建つ文教地域でした
 1枚目の地図の左上の角にある北野中学校は北野高校の前身です。北野中学校が十三へ移転した後、現在この地は、済生会中津病院になっています。

 「梅田すてん所」の愛称で親しまれた初代大阪駅は、大阪-神戸間の官営鉄道開通に合わせて1874(明治7)年に開業しました。大阪市パノラマ地図に描かれている駅舎は、二代目のゴシック風駅舎で、初代大阪駅から東へ移動しました。その後、1980(昭和55)年まで約40年間使用されたインターナショナルスタイルの第三代駅舎へと引き継がれ、第四代大阪駅は、駅業務機能を担う「北ビル」と百貨店・ホテル・旅行サービス機能等を取り入れた総合ターミナルビル「アクティ大阪」となりました。
 2011(平成23)年に誕生した現在の大阪ステーションシティは五代目。「抜本的な駅改良」「広場・通路の整備」「新北ビルの開発」「アクティ大阪増築」を4つの柱として、「感動と発見にあふれた、新しい大阪駅(OSAKA Grand Station)の創造」をめざして建設されました。
 2階にある6本のホーム全体を覆う大屋根(ドーム天井)が特徴で、3階の連絡通路と5階にある時空の広場が、南北に建つ2つのビルを結んでいます。ノースゲートビルディングにある風の広場、天空の農園からの展望は絶景で、うめきた2期の工事の様子がよく見えます。
 2013年にオープンしたグランフロント大阪(うめきた1期)、工事が進むうめきた2期の敷地には、梅田貨物駅がありましたが、大阪市パノラマ地図には、貨物駅着工前の様子が描かれており、「大阪駅構築豫定地」の文字が見えます。このあたりは、その直前まで工業学校(大阪市立大学工学部の前身)、梅田高等女学校(大手前高校の前身)、金蘭女学校などの学校が建つ文教地域でした。




〇特別展「商都大坂の豪商・加島屋 あきない町家くらし」開催中です

 2022年9月26日(月)まで。残りわずかとなりました。

 江戸時代の大坂は、「天下の台所」とうたわれ、日本経済の中心地でした。この企画展では大坂を代表する豪商であった加島屋・廣岡家の商い・住まい・暮らしを紹介します。加島屋は米仲買や蔵屋敷の管理を行い、堂島米市場の中心的存在でした。同家の本宅は土佐堀川に面した玉水町(現・大阪市西区江戸堀一丁目)にあり、今回、あらたに発見された資料から、その店がまえや華やかな暮らしぶりが明らかになりました。加島屋をルーツとする大同生命保険株式会社では、創立120周年記念事業のひとつとして、加島屋本宅の復元模型を製作し、大阪くらしの今昔館はその監修をおこないました。この展覧会はその調査成果を展示したものです。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/exhibition_special/260000359




〇天井改修工事の実施に伴う一部展示室等の閉鎖のお知らせ

 大阪くらしの今昔館から重要なお知らせです。
 天井改修工事の実施に伴い、令和4年9月26日までの約1年間、9階常設展示室および10階展望フロアが閉鎖されますので、ご注意ください。


・9階、10階の閉鎖期間中は8階企画展示室に町家座敷を実物大で再現し展示します。
・8階の吹抜け部分に大型映像コーナーを新設し、江戸時代の大坂の町なみと天保年間の人々の暮らしを描いた動画をご覧いただけます。
9月27日(火)から10月28日(金)までは、江戸時代のフロアの復旧工事のため全館休館となり、10月29日(土)にオープンとなります。


・天井改修工事期間中(9月26日まで)の入館料
8階常設展と企画展をご覧いただけます。
 一般   400円  団体(20名以上)300円
 高・大生 300円  団体(20名以上)200円 *要学生証提示

【年間パスポート】
現在年間パスポートは販売を休止しております。

【年間パスポートをお持ちの方へ】
天井改修工事期間を含む年間パスポートをお持ちの方は有効期限を延長いたします。インフォメーションにて手続きをいたしますので、次回ご来館の際にご提示ください。



 今昔館の近代のフロアをご紹介する動画が2編公開されています。動画を見てから見学すると、見どころがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqzmybwKss&feature=youtu.be


https://www.youtube.com/watch?v=EohP-xqrOi4



〇住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」とは?

 住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は2001年4月26日に開館しました。昨年、開館20周年を迎えました。
 ここは「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての專門ミュージアムです。
 住まい情報センターのビルの9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元しています。
 8階「モダン大阪パノラマ遊覧」は、明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。
 さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。

 前館長の谷直樹先生と新館長の増井正哉先生がこれまでの道のりを振り返り、これからの課題について語り合う動画が公開されています。
 こちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=kFW0qbelLNo



〇大阪くらしの今昔館の紹介動画
 今昔館の江戸時代のフロアをご紹介する動画(全4編)の目次はこちらからどうぞ。
 こちらから、見たい部分だけを見ることができます。英語の字幕入りの動画を見ることもできます。
http://konjyakukan.com/link_pdf/what's%20this%20.pdf



 このほかに「天神祭となにわの町」をご紹介する動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3or8fq4U8zE&feature=youtu.be




〇落語家 桂米團治と歩く江戸時代の大坂
 大阪くらしの今昔館の9階常設展示室にある江戸時代(天保年間)の大坂の町並みをご紹介する新しい動画ができました。案内人は上方の落語家、桂米團治師匠です。
〈①表通り編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=n1moBJy5uB4
〈②町家の暮らし編〉
 こちらからどうぞ。
 https://www.youtube.com/watch?v=dDb2VBmyKnw



〇「今昔館のオンライン まなびプログラム」が公開されています
 大阪のまちと住まいや くらしのことを おうちで学んでみませんか?
 こちらからどうぞ。
 ⇒https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/manabi_program/今昔館のオンラインまなびプログラム




 大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


 「今週の今昔館」の第1回から第52回までは、「古地図で愉しむ大阪まち物語」に掲載しています。
 「今週の今昔館」の第1回はこちらからご覧ください。
http://osakakochizu.blogspot.com/2016/08/blog-post_5.html



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