2018年1月1日月曜日

今週の今昔館(92) 浪花百景に見る江戸時代の大坂 三大橋 20180101

新年あけましておめでとうございます。

本年も、大阪くらしの今昔館をどうぞよろしくお願いいたします。

〇浪花百景に見る江戸時代の大坂

 今回から、新しいシリーズ「浪花百景に見る江戸時代の大坂」をスタートします。第1回は、お正月ということもあり、地元天満天神の日の出から始めたいと思います。


■三大橋(国員画)
 『浪花百景』は、大坂の浮世絵師3人の合作による錦絵で、安政年間(1854~60)のころ、北浜の「石和」から出版されました。桜宮、野田藤、四ツ橋、天保山、住吉高灯籠など、当時の100の名所が色鮮やかに描かれ、この「三大橋」もその一つとして採り上げられています。

浪花百景「三大橋」(大阪市立図書館蔵)

 大川に架かる橋は手前から、難波橋、天神橋、天満橋。現在の中之島の御堂筋上空あたりから東南の方向を臨む風景です。水の都と呼ばれていただけに、町を縦横に走る川や堀には数多くの橋が架けられていました。その中でも整然と3つ並んだ橋の光景は美しかったに違いなく、「浪華三大橋」と称されました。大坂城の櫓や四辺の青松を含めたこれらの橋の眺望が人々に愛されていました。江戸時代に大和川が付け替えられ、明治後期に新淀川が開削されるまで、大川は旧淀川と大和川の二大河川が流入する文字通り最大の川で、川幅が広く水量も多く架橋は困難でした。

 秀吉の大坂城築城に伴い、まず天満橋が架けられ、江戸時代初期には三大橋が出そろいました。いずれも公儀橋として幕府が維持管理を担いました。三大橋は大坂を政治的、経済的に支えるのみならず、庶民の遊興、娯楽がこれらの橋を中心に生み出されました。大坂城越しに生駒山から昇る朝日が町の繁栄を象徴しています。

 いま、「難波橋」は親柱の上のライオン像から「ライオン橋」と呼ばれ、そして、「天神橋」は流麗なアーチを持ち公園周辺の風景に溶け込んでいます。「天満橋」は後に出来た高架橋により“重ね橋”としての風景を生み出しました。風景は大きく変わりましたが、これら浪華の三大橋は今もその重要な役割に変わりはありません。

■天満天神地車宮入(芳瀧画)
 次は、天満天神地車宮入。大阪の祭りといえば天神祭。大坂天満宮が天暦3年(949)菅原道真を主祭として創始してから2年後には鉾流し神事が始まりました。三大市場を氏子に抱えた天満宮は経済的にも支えられ、祭りも盛大でした。
 陸渡御の主役は地車(だんじり)、鉦や太鼓の地車囃子が賑々しく奏でられる中、氏地曳航と宮入りが威勢よく行われました。氏地の町々や市場、職人・商人集団が奉納した地車は、安永9年(1780)には84基を数えましたが、幕末頃から衰え、明治29年(1896)には最後に残った一台が天満青物市場から奉納されました。以降は、天満宮境内に飾り付けられたこの「三ツ屋根地車」の上で地車講によって地車囃子の奉納が続けられています。

浪花百景「天満天神地車宮入」(大阪市立図書館蔵)

■天満市場(国員画)
 3枚目は天満市場。秀吉の頃、京橋にあった青物市場は夏の陣以降二転三転し、承応2年(1653)から天満橋と天神橋の間のこの地において官許市として営業を開始しました。
 幕府の保護を受けた大坂で唯一の青物市場で、対岸は八軒家浜という大川の一等地に広く問屋が並び、摂河泉の野菜や紀州・山城の果物を四季を通じて集荷しました。秋の松茸・栗、冬の蜜柑などは夜市が立ち、こうこうと輝く松明や提灯の明かりのなかで取引が行われ、年中無休の営業で活況を呈しました。昭和6年(1931)大阪市中央卸売市場に合併しました。画面手前の橋は天神橋です。

浪花百景「天満市場」(大阪市立図書館蔵)

 『浪花百景』は大坂の風景100枚と目録2枚の計102枚で成り立っており、竪型の画面で構成されています。目録に「平野町/淀屋橋/石和板」と記されており、出版元は石和とわかります。石和とは、石川屋和助のことで、現在の北浜界隈にあって、明治以降まで幅広い出版活動を持続していました。
 『浪花百景』では多くの図において近景と遠景を極端に対比させた構図がとられている点が特徴です。

 目録の表題は「浪花名所百景」となっています。一枚目は松皮菱や麻の葉の文様を表した色紙、地紙、雪輪、団扇などのなかに、百景のうち50の名所が書かれ、それぞれの絵の末尾には絵師の名前が記されています。上段から順に、歌川国員、里の家芳瀧、南粋亭芳雪の手掛けた名所が並んでいます。目録には、名所絵に記された題名と異なる名称も見られ、「高津真言坂」「ざこば魚市」「四ツばし時雨」のように、描かれた絵の内容をより詳しく伝えるものもあります。


浪花百景目録(大阪市立図書館蔵)

 もう一枚の目録は、立て札、蕪、真鯛、煙管に煙草入れ、熨斗紙を付けた折り詰めが並び、その中には50の名所が書かれています。右下の蕪を見ると、「舎利寺」「御勝山」「(茶臼山)雲水」「四天王寺伽藍」など天王寺界隈の名所が並んでいます。大坂ゆかりの天王寺蕪を描いたものと察せられます。

浪花百景目録(大阪市立図書館蔵)

 解説は、関西学院大学博物館「浪花百景ー大坂名所案内ー」、大阪城天守閣「特別展浪花百景ーいま・むかしー」を参考にさせていただきました。


〇企画展「道具のむかしばなし展―ものから学ぶ昔のくらし―」開催中です

 わたしたちのくらしは、この数十年で大きな変化をとげました。古くから使われてきた道具にかわり、それまでになかった電化製品が登場し、料理や掃除、洗濯にいたるまで、より便利で快適な生活を実現してきました。

 本展では小学校の学習内容に合わせ、さまざまな生活道具を展示し、くらしのうつりかわりを紹介します。また、昭和期の茶の間を再現した展示や、蚊帳や黒電話など道具に触れる体験コーナーもあります。

 さあ、道具たちのむかしばなしに耳をすませ、楽しく昔のくらしを学んでみましょう。

 展示内容は、こちらからどうぞ。
http://konjyakukan.com/temp-topic.html#2017/12/28



会期:平成29年12月16日(土)~平成30年2月10日(土)
開館時間:午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
会期中の休館日:毎週火曜日、年末年始(12月29日~1月2日)



〈関連イベント〉
① 特別講演会「道具が化ける?絵巻で読む付(つく)喪神(もがみ)」

講師:田中貴子氏(甲南大学文学部 教授)
日時:2018年1月27日(土)14:00~15:30(受付開始13:30)
会場:住まい情報センター 3階ホール
参加費:無料
定員:100名(要事前申込、先着順)
申込み方法:インターネット、又はハガキ・FAXにて。氏名(ふりがな)、年齢、住所、電話番号、参加人数(4名まで、お連れ様の名前も記載)を記入。
インターネットからのお申込みはこちらから
≫ https://www.sumai-machi-net.com/event/portal/event/33011(住まい・まちづくり・ネット)

② ワークショップ「障子に親しもう」
日本家屋にはおなじみの障子。破れた障子を修理したり、影絵で遊んだりしながら、障子について学ぼう。
日時:2018年1月20日(土)、2月4日(日)14:00~
場所:9階木戸門横スペース
参加費:無料
小中学生以下は入場無料、高校生以上の方は常設展の入場料が必要です。
参加人数:先着10名 *事前申し込み不要。直接会場にお越しください。



〇今週のイベント・ワークショップ

1月3日(水)~6日(土)、10日(水)~13日(土)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

1月7日(日)、8日(祝)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころを町家衆がわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

1月3日(水)~8日(月)
イベント 今昔館に初もうで

大人も子どもも楽しめる懐かしいお正月遊び
福笑い・双六・百人一首等
書初めもあります(1/4~1/5、13:30~16:00、100円)

【1月3日(水)だけのお楽しみ 】
*甘酒のご接待・・10時~先着200名
*折り紙・・100円
*あてもの・・先着200名(中学生以下)

【1月3日(日)4日(月)のお楽しみ 】
*おみくじ・・無料
*絵馬・・100円

1月8日(月・祝)
町家衆イベント ワークショップ 水引で小物を作ろう

①13時30分 ②14時30分
当日先着 各回10名 材料費200円
※当日12時より8階受付で参加整理券を販売します

1月13日(土)
町家衆イベント ワークショップ 『石臼体験』

13時30分~15時
時間内、参加人数制限なし、無料

1月14日(日)
イベント 町家寄席-落語

江戸時代にタイムスリップ!大坂の町で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸、笑福亭達瓶
14時~15時

町家衆イベント おじゃみ(有料)
古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。


大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。

「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。
http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。
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