2018年2月20日火曜日

今週の今昔館(99) 「浪花の大ひな祭り」開催中 20180220

〇企画展「浪花の大ひな祭り」開催中です。

会期:平成30年2月18日(日)~4月2日(月) 
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
閉館日:毎週火曜日


 ひな祭りは女の子の成長を願う節句として、江戸時代には大坂の町人にも親しまれていました。上方の雛飾の特徴として内裏雛(女雛・男雛)が御殿に入る雛飾が、かつては多く作られました。また、台所道具を模した「勝手道具」は女の子に家事を教えるという意図を込めて雛に添えて飾り、手にとって遊ばれていました。
 本展では、上方の雛の特徴を持った大阪の商家の雛飾などを展示します。特に昨年寄贈された大坂の豪商「加島屋」(廣岡家)の豪華な享保雛と多種多様な雛道具の数々は必見です。また、全国から摂南大学に寄せられた雛人形の中から600体を飾る「大ひな壇」の迫力もお楽しみください。
≫ http://konjyakukan.com/kikakutenji.html

ひな600体の大雛飾(摂南大学蔵)
享保雛 加島屋伝来(大阪くらしの今昔館蔵)


〇今週のイベント・ワークショップ

2月21日(水)~24日(土)、26日(月)、28日(水)~3月3日(土)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。
当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
時 間:①11:30~、②14:30~
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)

2月24日(土)
ワークショップ 『ミニ雛人形を作ろう』

①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、1人300円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します

2月25日(日)、3月4日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

2月25日(日)
イベント 町家寄席-落語

江戸時代にタイムスリップ!大坂の町家で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸、桂小鯛
14時~15時

町家衆イベント 絵本で楽しい時間
むかし話などの絵本を表情豊かに読み聞かせます。
じっくりとお聞きください。
開催日: 第4日曜
時 間:14:30~15:00

3月3日(土)
イベント 今昔館のひな祭り

ひな祭りを祝おう
①13時 ②14時30分
中学生以下対象
参加費無料
※各回先着20名 当日、12時~ 8階受付にて、整理券を配布します

3月4日(日)
町家衆イベント 町の解説

江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00

そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。



〇浪花百景に見る江戸時代の大坂(8)

 今回は「浪花百景に見る江戸時代の大坂」の8回目、引き続き上町台地の名所をご紹介します。前回の茶臼山から北へ向かって、順に紹介していくことにします。

■安居天神社(芳雪画)
 四天王寺の僧が院にこもって修行する安居院(あんごいん)があった場所で、菅原道真が大宰府への左遷に際し船待ちのためしばしこの地に安居(休息)したためその名が起こったともいわれ、その伝承も加わり天神信仰の社となりました。
 境内は天神森とか安井森などと呼ばれた景勝地で、特に桜の季節には花見客で賑わいました。錦絵の山裾中央やや右に見えるのが天王寺七名泉の一つに数えられた「安井清水」。
 また、大坂冬・夏の陣では、この一帯は主戦場でした。夏の陣最後の決戦で、茶臼山に布陣した真田幸村が激しい攻防の中で大奮戦の末最期を遂げた地としても知られ、毎年5月7日には幸村祭が執り行われます。
 
浪花百景「安居天神社」(大阪市立図書館蔵)

■天王寺増井(芳瀧画)
 江戸時代、大坂三郷といわれる大坂市中の井戸水は塩気を含んで飲めないため、川から水を汲んできたり、水屋から川水を買ったりして飲み水としていました。そうした中、天王寺付近の台地だけは良質の井戸が多く、とりわけ新清水崖下の増井清水は、亀井、玉出、相坂(おうさか)、安井、有栖、金龍の各清水とともに「天王寺七名泉」の一つに数えられています。曲亭馬琴の「羇旅漫録」にも「増井の清水、その外天王寺邊の井戸水を汲みにゆくもの、夕方より引きもきらず」と記されています。以前は、上下二段の水汲み場があり、上は武家、下は庶民が使用したといわれます。井戸からあふれた水が池を作り、周囲に藤棚もあって、憩いの場でもありました。現在は井桁と屋根が残るのみです。

浪花百景「天王寺増井」(大阪市立図書館蔵)

■新清水紅葉坂瀧(芳雪画)
 四天王寺の支院清光院は、寛永17年(1640)京都清水寺から聖徳太子作と伝える千手観音を譲り受けて本尊としたため、一般に新清水と通称されます。本堂前には清水寺を模した優美な舞台が設けられ、遠く淡路島や播磨の国が眺望できたといわれます。本堂脇から下る石段には楓の木がたくさん植えられて紅葉坂と名付けられ、境内を覆い尽くす紅葉の頃はいっそう美しく、参拝者を集めました。南側の崖にはこれも清水寺の音羽の滝を模して作られた「玉出の滝」を設けて市内唯一の水の行場としました。今日も三条の水を落としています。

浪花百景「新清水紅葉坂瀧」(大阪市立図書館蔵)

 天保年間発行の「浪華名所獨案内」には、安井天神、キヨミズ、増井清水、相坂清水が描かれています。大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」にも、安井天神、清水寺の文字があります。

浪華名所獨案内(「津の清」蔵・上が東です)

大阪市パノラマ地図(大阪くらしの今昔館蔵)

 今回は、「浪花百景」の安居天神社、天王寺増井、新清水紅葉坂瀧をご紹介しました。
 錦絵の解説は、関西学院大学博物館「浪花百景ー大坂名所案内ー」、大阪城天守閣「特別展浪花百景ーいま・むかしー」を参考にさせていただきました。



大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。

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