2018年8月14日火曜日

今週の今昔館(124) 茨住吉 20180814

〇今週のイベント・ワークショップ

8月16日(木)
イベント 夏休み まちなみ探偵団

江戸時代の大坂の住まいやくらしのヒミツを極秘調査して、
今昔館を訪れている外国の人に見つけたヒミツを伝えてみよう!
10時30分~16時30分(受付10時15分より)
対象:小学4・5・6年生(安全のため、保護者の送迎をお願いします。)
※当初5,6年生を対象としていましたが、4年生まで対象を広げました。
定員:20名(申し込み多数の場合は抽選)
お申し込みについては「住まい・まちづくり・ネット」をご覧ください。申込期限は8月2日(木)です。
https://www.sumai-machi-net.com/event/portal/event/33201
※いただいた個人情報は今回のイベント以外の目的には一切使用いたしません。
※参加者決定後、お申し込み時にご記入いただきましたご住所に、参加証及び詳細をお送りします。
※昼食・飲み物は、各自ご用意ください。

8月18日(土)
町家衆イベント 折り紙(有料)

季節に合わせてさまざまな折り紙をお教えします。
作品は持ち帰っていただきます。
開催日:偶数月の第3土曜
時 間:13:30-15:00

8月19日(日)
イベント 町家でお茶会

町家の座敷で「ほっと一息」一服いかがですか,br> 先着順50名、茶菓代300円
※当日12時より受付でお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
13時~15時

町家衆イベント 今昔語り
大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。
あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
開催日:お茶会と同日
時 間:14:30-15:00

町家衆イベント 町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00-16:00

8月25日(土)
町家衆イベント ワークショップ『千代紙ろうそくを作ろう』

①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、参加費200円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆

8月26日(日)
イベント 第13回子ども落語大会

開催日時 平成30年8月26日(日) 午後12時~17時(予定)
開催場所 : 大阪くらしの今昔館 9階常設展示場 薬屋座敷
参 加 費 : 無料(参加者の御家族1名は無料です)
対 象 : 中学生以下
内 容  : 落語・小噺・おもしろい話など、なんでもOK!
持ち時間 : 一人10分以内(時間厳守のこと)
申込方法 : 往復はがきに住所、氏名、年齢(学年)、電話番号、 演目、ありましたら舞台名、見台の要否、「出場に際してひとこと!」を明記の上、下記申込先へ往復はがきでお申し込みください。 申込者が多い場合は抽選となります
申込締切 : 平成30年8月12日(日)まで

申込・問合せ先
     〒530-0041
     大阪市北区天神橋6丁目4-20
     大阪くらしの今昔館「子ども落語大会」係
     TEL 06-6242-1170
備 考  : 本大会の入賞者は、10月7日(日)午前10時から、天満天神繁昌亭の舞台に出演していただきます

町家衆イベント 絵本で楽しい時間
むかし話などの絵本を表情豊かに読み聞かせます。
じっくりとお聞きください。
開催日: 第4日曜
時 間:14:30-15:00

15日(水)~18日(土)、20日(月)、22日(水)~25日(土)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。
当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
時 間:①11:30~、②14:30~
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)

8月19日(日)、26日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

※毎週火曜日は、休館日です。

そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。



〇浪花百景に見る江戸時代の大坂(30)

 「浪花百景に見る江戸時代の大坂」の30回目は、「茨住吉」をご紹介します。

■茨住吉(芳瀧画)
 茨住吉のあった九条村は、寛永元年(1624)に江戸幕府の旗本である香西皙雲が土豪池山新兵衛を起用して開発したとされる新田村です。この時香西がこの土地の守護として、また、航行安全を祈って底筒男(そこつつのお)ほか三神を勧請したとされるのがこの神社です。以降、摂津国西成郡九条村の産土神社となります。なお、同じく晢雲が九条島開発の際に建立した竹林寺も近隣に所在します。
 社名に「茨」がつくのは、荊棘を駆除して社殿を建設したことから茨の字を冠したとも、摂津国菟原郡住吉村(現在の神戸市東灘区)の本住吉神社を分祀したので菟原が茨と転訛したとも云われます。広大な社域には巨樹が茂り、八橋を設けた池辺では住吉の浅澤から移植したという杜若が楽しめるなど、時節には参詣者が多かったといわれます。
 かつての神殿は戦災で焼失しましたが、現在は見事に復興されています。


浪花百景「茨住吉」
(大阪市立図書館デジタルアーカイブ)
現在の茨住吉神社鳥居
現在の茨住吉神社拝殿

 江戸時代天保年間発行の「浪華名所獨案内」の茨住吉付近を見ると、「九条」「竹林寺」「波除山」と並んで「茨住吉」の地名が見えます。「西」の字の上あたりです。この地図は、東が上になっています。

浪華名所獨案内(「津の清」蔵)

 次に、天保8年(1837)発行の天保新改攝州大坂全圖を見てみましょう。九絛島田地の北西の角、尻無川の傍に「茨住吉」の文字が見えます。横には「九条ノ内宮東」の文字もあります。

天保新改攝州大坂全圖(国際日本文化研究センター蔵)

 大正13年発行の大阪市パノラマ地図では、市電の常盤橋停留所の西に「茨住吉神社」が描かれています。市電は「花園橋」から「築港」が最初の路線で、北に延伸されて本町通や中之島、大阪駅と結ばれていました。茨住吉神社は松島遊郭にも近いことに加えて、市電の開通によって大変交通の便のいい立地になったと言えます。

大阪市パノラマ地図(大阪くらしの今昔館蔵)

 昭和12年発行の大大阪観光地図を見ると、市電の「常盤橋」と「花園橋」の間に赤枠付きの大きな文字で「茨住吉」があります。松島遊郭にも近く、周辺には寄席や芝居も多くありましたので、賑わっていたことが想像されます。

大大阪観光地図(国際日本文化研究センター蔵)

 今昔マップ3を利用して、地形図の変遷を見てみます。
 左上の明治42年では、松嶋の西側、市電の傍に神社らしき敷地はありますが、名称は書かれていません。市電は本田から大阪港への路線(港通)のほかに、長堀の北を西に向かってきた路線が松嶋に渡り、南へと走っています。
 右上の昭和7年では、「茨住吉社」の文字が見られます。長堀通からの市電が北へも分岐して、本田で港通の路線とクロスしています。
 左下の昭和22年では、白い部分が戦災で焼失した地域です。松島から九条一帯は大きな被害がありました。
 右下の昭和42年を見ると、市街地の復興が進み、尻無川が埋め立てられて、松島が島ではなくなっています。長堀の北の市電は廃止されています。港通の西側に新たに中央大通が通り、地下鉄4号線の文字も見えます。松島の文字は消えて、千代崎町となっています。尻無川が埋め立てられた跡もふくめて、公園が整備されています。

明治42年~昭和42年の地形図(今昔マップ3より)

 今回は、「浪花百景」の「茨住吉」をご紹介し、周辺地域の変遷を見てきました。今昔館8階展示室の床面には大きく拡大した「大阪市パノラマ地図」がありますので、昔の地図、現代の地図と見比べながらお楽しみください。

 錦絵の解説は、関西学院大学博物館「浪花百景ー大坂名所案内ー」、大阪城天守閣「特別展浪花百景ーいま・むかしー」を参考にさせていただきました。


〇企画展示室では、大阪市中央公会堂開館100周年記念
 特別展「大大阪モダニズム ― 片岡安の仕事と都市の文化―」を開催中です。


会期:平成30年7月21日(土)~9月2日(日)
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)

会期中の休館日:毎週火曜日

 大正14年(1925)、大阪市は市域拡張によって面積・人口ともに東京市を抜き日本第一の都市となり、当時世界第6位の大都市「大大阪」が誕生しました。御堂筋の建設や公営地下鉄の開通、築港整備などが進み、また大阪市中央公会堂、大阪商科大学(現大阪市立大学)、大阪城天守閣、大阪市立美術館などの教育文化施設が誕生しました。次々と都市計画が実現する中、機能性を重視した「モダニズム建築」が現れ、大衆文化にもアールデコ風の新しいデザインが取り入れられます。

 今年は、大阪市中央公会堂が開館して100年の節目の年になります。そこで、大大阪時代の幕明けを告げるこの名建築の実施設計を手掛け、大阪の都市計画を指導した建築家・都市計画家の片岡 安の仕事を通して、大大阪時代の建築群と都市景観を展望します。また大大阪時代の都市美を描いた絵画を紹介し、大大阪モダニズムとも呼べるこの時代の美術・文化を再評価します。

 本展覧会は、片岡安が初代校長を務めた常翔学園(その前身である関西工學専修學校)の常翔歴史館と、大阪の建築文化の専門博物館でもある大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)の主催により開催します。

「大阪市公会堂新築設計図 透視図」
(岡田信一郎案)大阪市蔵
小出楢重《市街風景(街景)》個人蔵
川瀬巴水《大阪道頓堀の朝》
大阪市新美術館準備室蔵
「大阪の三越」個人蔵




大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「今週の今昔館」は第1回から第52回までは、大阪市立住まい情報センターの住まい・まちづくり・ネット「スタッフのつぶやき」に掲載されています。
「今週の今昔館」第1回はこちらからご覧いただけます。
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/04/blog-post.html


 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。

「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。
http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。
http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



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